パパと先生とのお茶会の再開
「パパ!今日からまたお茶会しよ!」
「ん。アリスティド、いいのか?」
「うん、思ったよりは順調だからね。それにアニエスとのお茶会、僕も交ぜてもらうし」
「そうか。アニエス、中庭に行くぞ」
「わーい!」
パパに抱っこされて中庭に行く。アリス先生はにこにこしながらパパの隣を歩く。
「こうして見るとアニエスはまだ幼いね」
「すぐにパパ似の美少女になるよ!」
「もうなってる」
パパの言葉に思わず顔を見る。
わあ、真顔。
「あははははは!まあ確かにね!でもすぐに美女になるんだろうなぁ。将来はモテるよー」
「まだ早い」
「あははははははは!これは婚約者選びも難航しそうだね!」
「早いと言ってるだろう」
こうしてみるとパパに本当に溺愛されるようになったなぁ。
「アニエスはどんな子が好みだい?」
「おい」
「イケメン!」
即答すればアリス先生は面食らった顔。びっくりした時のそのお顔、パパそっくり。パパと違って髪が長いから、雰囲気はちょっと違うけど。
「お顔が一番?」
「うん!」
「ありゃあ。これは本当に大変そうだ」
「だが実際、アニエスの相手は美形でないと釣り合いが取れないだろう」
「あー、まあね。見劣りすると相手の男が可哀想か」
アリス先生にも特訓の時以外は甘やかされてるなぁ、私。
「そうそう、聞いたよ。マルソーの次男としかまだまともな交流がないんだって?」
「うん」
「お友達は欲しくないかい?」
「んー。それよりパパとアリス先生と一緒にいたい」
私が本音を零せば、パパもアリス先生も目をパチクリしたあと顔を見合わせた。
「この子可愛すぎない?悪い人に攫われたりしない?」
「そうならないためのお前だろうが」
「え、絶対守る」
「ぜひそうしろ」
過保護だなぁ、二人とも。
「でも実際問題、同年代のお友達もう一人欲しいよねぇ」
「いらん」
「箱入り過ぎるのは良くないなぁ」
「嫉妬されたらどうする」
「まあ、実物は可愛すぎるからねぇ」
…なんか、大事にされすぎてむず痒くなってきた。
「さてさて、中庭に着いたしお茶会しよー!」
「いいねぇ。ほら、アニエス。こちらへどうぞ」
アリス先生とパパの間くらいの席に座る。パパとアリス先生は向かい合わせ。
アリス先生はにこにこしながら、お菓子を頬張る私を眺める。
パパはお茶を飲みつつ横目で私を見てる。
「それで話は戻るけど、アニエスの新しいお友達はどうする?」
「魔法の練習もあるし要らないだろう」
「いやいや、情操教育も大事だよ」
アリス先生はにこにこしてるけど背中に蛇を飼っている。パパはクールなお顔で背後に虎を背負ってる。
本格的に喧嘩になる前に、どうにかするかぁ。