パパとお昼寝
「パパ!」
「なんだ」
「お昼寝しよう!」
パパに甘える。
パパはとても忙しいけれど、体調管理も万全だ。だからお昼寝は必要ないかもしれないけど…私がパパとお昼寝したい!
「いいぞ」
「いいの?」
「そのくらいの時間ならいくらでも作れる」
俺を誰だと思っている、と偉そうなパパ。そんなパパのお顔もかっこよくて素敵!
「えへへ。パパは今日もかっこいいね!大好きだよ!」
「ふん。ほら、行くぞ」
「うん!」
パパと一緒に、私の部屋に行く。
ベッドに二人で横になる。
パパに抱きついて、うとうとする。
パパは私の背中に腕を回して、トントンしてくれる。
「んー…」
「いい子だ。いい子…」
「えへへ…」
ふにゃふにゃと笑った娘は、そのまま寝落ちした。
俺の娘は、控えめに言ってすごく可愛い。
良い子に育ってくれたと思う。
「あとで乳母に、褒美でもくれてやるか」
何も文句を言わず、乳母としての役割を果たしているあの女。
実際のところ、まだまだ若い。
しかし、幼い子を亡くしている。夫とはそのことがあり別れたと聞いた。それもあり住み込みで働いてくれている。
まるで我が子のようにアニエスを慈しむ。そこに裏のない愛情を感じる。
あの乳母を選んだのは正解だった。
「…アニエス」
「…」
ぐっすりと眠る娘の瞼に、こっそりとキスをする。
良い夢を見られる、おまじないだ。
「…俺も少し、寝るか」
やってきた眠気に、身を任せた。
「…んぐっ!?」
…ふぉー!!!
驚きと歓喜で叫びそうなお口を手で無理矢理塞いで、心の中で叫ぶ。
パパが!!!
寝てる!!!
「か、かわいい…」
キツイ顔立ちの美形という印象のパパ。しかし寝顔はめちゃくちゃ純粋で毒気がなく、すごく可愛らしい。
「レアだ…」
こんな無防備な寝顔、なかなか見られるものじゃないだろう。
パパのレアな寝顔を、頭の中のフォルダにたくさん保存しておいた。




