改めて、親子だと言ってもらった
「すまなかった。俺が悪かった」
「うっ…ひっく…」
「まさかあの人が、あんなことをすると思わなかった。迂闊だった。本当にすまない」
「えぐっ…うっ…」
「…悪かった」
お屋敷に魔法で帰ってきて、お部屋で二人きりでぎゅっと私を抱きしめるパパ。
呼吸をなんとか整えて、私はパパに謝る。
「パパ、ごめんなさい…」
「ん?」
「公の場でパパって言っちゃった」
「構わない。親子なんだから。これからも、公の場でとか考えないでパパと呼べ」
「パパっ…」
パパにぎゅっと抱きつく。
パパももっとぎゅっと抱きしめてくれる。
ちょっと苦しいけど、今はその苦しささえ心地いい。
「あと、泣いてごめんね」
「泣かせる方が悪い」
「うん…」
酷いことを言われるのには慣れたと思ってた。
パパ関連で、女の人たちに詰め寄られたこともザラにあったから。
でも自分より家格が上か同等の大人の男の人に、圧をかけられて色々言われるのは初めてで。
やっぱりどうしても怖くなっちゃった。
「…大丈夫だ。お前はなにも悪くない」
「うん…」
「愛してる」
初めて、パパに愛してると言われて。
悲しみや恐怖が一気に吹っ飛んだ。
「え」
「お前は愛おしい俺の子だ。だからなにも負い目を感じる必要はない」
「…うえーんっ!!!」
今度は喜びの涙が溢れた。
パパも悲しい涙じゃないってわかってくれてて。
優しく背中を撫でて泣き止むのを待ってくれた。
その後ぐちゃぐちゃになった顔を洗って、泣きすぎて腫れた目をよくよく冷やした。
幸い目はすぐ治った。




