ギフト
「やっと着いた。ん〜、やっぱ荷台じゃ疲れるよ。」
「しょうがないだろ。うちもミアのうちもそんな余裕無いんだから。」
「そうなんだけどさ。」
と言いつつ俺も疲れているので一休みしていると、
「それにしてもここにいる人って私たちと同じで『ギフト』の確認をしに来てるのかな?」
と言い出した。実際に何度か来たことがある街だが、ここまで人がいるのは見たことがない。
「俺たちみたいな子供と一部はその親って感じかな。」
「これだと、私たちの番まで時間がかかりそうだね。」
「こればっかりは気長に待つしかないよな。・・・・できれば早く日陰に行きたいんだけどさ。それに俺は大体どんなギフトか分かってるしさ。」
「まあ、そうなんだけどさ。でも実際なんて出るか気になるじゃん。」
「さあな。俺としては、下手にたいそうな名前ででなければなんでもいいよ。」
俺のギフトはかなり応用が効くものだ。 また教会で聞かされるギフトの内容はかなり大雑把なも
「ミアもそのまま出たらめんどくさそうだけど、いいのか?」
「私のはハリー程じゃないからね。とは言いっても、強いというか便利だから。まあ、大丈夫でしょ。」
まあ、お互いその時はその時と割り切って、列に並び自分たちの番になるのを待った。
そして自分たちの番になり、結果から言えば二人とも大雑把にしか出なかった。ちなみに俺は『身体強化』、ミアは『魔法力上昇』と出た。その場でどの程度か試させられたが、強化率を抑えてやり過ごした。
そして近くの飲食店に入り、ご飯を食べながらひと休みする。
「にしても、人が多かった。あ〜、疲れた。」
「相変わらず人混みが苦手なのね。」
「ホント、人混みだけは無理なんだよ。あれだけはいつまで経っても直らないんだよな。」
「ミアは知ってるでしょ?色々あったの。」
「そりゃぁね。何年一緒にいると思ってんの?」
確かにな。お互いのことで知らないことのほうが少ないと思う。そこらの幼馴染よりも仲のいい自信もあるが・・・。
「それはそうと、ミアは学校どうするの?俺らの〈ギフト〉って結構強いほうだし、結構鍛えてきてるからやっていけると思うけど。」
「私?勿論ハリーについていくよ。・・・なるんでしょ、冒険者に。」
「・・・流石だな、ミア。本当になんでもお見通しってか。」
この幼馴染に隠し事は出来ない。どうせこの後俺が何を言うのかも見当がついているのだろう。ついでに俺の気持ちも・・・
「ふう、じゃあ一度だけだからからちゃんと聞いてろよ。ミア、俺はしばらくしたら冒険者としての活動を始めるつもりだ。」
「うん、だと思った。最近、新しく装備品買ったりしてたからそうだと思った。」
「でだ。これはお願いなんだが、ミアには俺はついてきてほしいんだ。・・・ミア以上に信頼のおける人なんていないからさ。勿論嫌なら断ってもらって構わない。その時は俺一人で行くから。」
「ついていくに決まってんじゃん。というか、私無理やりにでもついていったし。大体、ハリーってなんでもそつなくこなしちゃうけど、家事だけは不得意じゃん?だから一人で行かせるなんて心配でできないって。それに私ハリーのこと昔から「それは、まだ言わないで。」・・そう。」
「いや、勘違いしないでほしいんだけど別に嫌なわけじゃないんだ。俺の性格知ってるからわかると思うけど、嫌いなやつとはここまで仲良くならないし、とっくに関りをなくしてるから。」
「・・じゃあ、なんで?」
「俺はさ、…。」
俺は正直に今考えていることをミアに打ち明けた。それは多くの人が子供の戯言だと聞き流すような突拍子もなく、現実味のない内容だっただろう。それはそうだ。自分自身馬鹿な事を言っている自覚もあるし、到底信じられないだろう。だが、ミアなら信じてくれるのではなんて言う甘い考え半分、自分自身への決心半分に言い切った。
そして、その目標を聞いたミアは、
「フフフ、相変わらず大きく出るねえ、ハリーは。でも、いいよ。それまでは、ただの幼馴染でコンビで。だけど、その後はちゃんと責任取ってよね。私の貴重な時間を君にあげるんだから。」
分かっているさ。僕ら人間の生きられる時間なんてたかが知れているんだ。僕の目標はうまくいっても一生をかけることになるかもしれないようなものだ。それに乗ってもらうのだから、それぐらい。そもそも、僕が君以外をそういう風に見ることなんてありえないし。それぐらい僕は君のことを思っている。多分、ミアはそれに気づいていてその上で僕にこう言ってきている。
「分かってるよ。むしろそれで済むなら全く問題ないよ。」
「え~、ほんとに分かってるかな?私が行ったことを叶えるためには、ハリーは相当頑張らなきゃだよ?」
「最初から、そのつもりだって。死ぬわけにはいかないけどそのぐらいの気持ちで頑張らなきゃな。」
そう口にして、改めて覚悟を決める。
それからは様々なことがあった。何度も死にかけて、その度にミアにいは心配をかけてしまった。いろいろな場所に行き、そこで出会った人と仲良くなりパーティーを組んで冒険したり。それらは僕らにとってかけがえのないものとなった。そして冒険者になり十数年後・・・
俺はその日生まれ故郷の国に戻っており冒険者ギルドに顔を出すとギルマスに呼ばれ、ギルマス野部屋に行く。
「お久しぶりです。ハリーさん。あなたが冒険者になって十数年。これまでの功績は数えきれないほどになっています。」
「そればかりは、環境や仲間に恵まれた面が大きいですけどね。」
「そうは言いいますが、それだけではここまでの功績は残せません。あなた自身の実力もそれに見合うものと待っています。まあ、その自覚はあまりないようですが。」
「まあな。そこらの奴らよりかは強いだろうけど、俺なんてまだまだだろ。」
これは俺の本心だ。俺の目指す場所はこんなものではない。
「そういや、話ってなんだ?今までのではないんでしょう?わざわざここに呼び出すぐらいなんですから。」
「そうね。・・・先日ギルドマスターがギルド本部に集まって、上位の冒険者のランクについての会議が行われたの。そこであなたのランクについての話も出たのよ。これまでの活躍や、討伐した魔物のランクなど、様々な事を確認してその上で見直しがされました。・・・おめでとう、ハリーさん。あなたはプラチナ級に昇格になります。これからはギルドから直接指名などが来ることもありますが
今まで通り頑張ってください。」
「・・・いいんですか?俺なんかがプラチナ級になって。」
「勿論ですよ。ギルマスの間でもあなたはプラチナ級に昇格するべき人材だと度々名が挙がってたんだ。」
「そうですか。わかりました。ありがとうございます。」
・・・プラチナ級・・・俺の目標としてきた場所・・・いいのか?今の俺で、俺なんかがプラチナ級で。いざ、自分がそうなると不安になるものだな。しかし、目標をたっせいした今やることは一つだ。あいつのところに行くか。
「フフッ、あいつなんて言ってくるかな?」
冒険要素はどこへ行ったのだろう?誰か教えてくれ。




