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盲目の人
あの日から私の生活は少しずつ変わっていった。
なぜか分からないが祖父と一緒に暮らすことになった。
位牌や写真が部屋の中に飾られるようになった。
祖母は一度も遊びに来なくなった。
それでも私たちはいつも通りの生活を続けていた。
次に死を意識し始めたのは小学校の時だ。
盲目の人が私の学校に来て生い立ちを話してくれた。
その人と会うまで私は五体満足が当然のことだと思っていたし、一つでも欠けることなどありえないと考えていた。
だから彼と出会った時も目が見えないフリをしているだけだと思っていた。
既に書かれている黒板の文字の上から文字を書こうとしたり、両手を前に出して椅子の場所を探す姿などが嘘らしく見えていた。
彼の話を少し覚えている。




