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戦国野望  作者: 丸に九枚笹
第二章
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第二章 23話 須田領と硫黄鉱山

1548年1月10日


今から須田領に出陣する。

と言っても、須田家は、須田満国殿と須田満長殿は既に逃げていない。

満長殿を立てようとしていた家臣達もいない。一緒に逃げた訳でもなく、四散したらしい。又兵衛に流してもらった噂が効いたようだ。逃げた先は追っていないが、もう二度と表舞台には出て来ないだろう。



松若丸「じゃあ出陣しましょうか。伊勢叔父上、お願いします。」


大久保伊勢「おう!出陣じゃ!」


太鼓を鳴らす。軍の合図のための太鼓と鐘を作り使うようにしたのだ。



今回は示威行軍なので、兵は千人だけにした。というか残りの兵達は今順番に安倍家の土木作業を手伝っているので、すぐに動かせるのがこの人数なのだが。


大将は大久保伊勢守信宣。槍が五百、弓が四百、騎馬が百。鉄砲は持っていない。

須坂まで行軍して、周りの治安維持のために見廻りして帰ってくるだけ。

一応、須田家の残った家臣から挨拶を受ける。彼らは満親に仕えることになっている。

この辺りの農民には触れを出していて、後は専門の家臣に任せることになっている。



そして、この千人の兵士とは別に、藤井与平率いる鉱山開発の集団が二千人いる。

なんと兵士の倍。あれからも鉱夫は増やしているのでこっちにこれだけ連れて来ても問題ない。

鉱山は新しく始めた金、銀、銅が取れる地蔵鉱山が二千、鉄鉱石の黒姫鉱山、柏原鉱山に千五百、今回いよいよ開発を始める硫黄が取れる米子鉱山に二千。


採掘技術も与平の話を聞きながら『検索』で調べながら『技術開発』で新しくし、産出量も増えている。


人数に余裕ができたら米子鉱山の隣の高井鉱山も開発予定。

鉱夫の皆さんは、軍の調練を経験した人達が多く、調練に比べたら鉱山で働いた方が楽だと言って、不満が出ることはない。鉱山で働くのももちろん大変なので、その分、待遇はかなりよくしている。給金とか食事とか住居とか服とか休暇とか。


俺らは藤井与平と一応米子鉱山の視察だけ行って、あとは与平に任せて、伊勢叔父の率いる軍勢と帰る予定。前回のことに反省したため、戸隠衆たくさんを連れてきている。




松若丸「満親、今回は複雑な思いさせて悪かったね。」


満親「いえ、元々、父と弟とは上手くいってませんでしたので。助けて頂いた上に若の家臣にして頂けて私は光栄です。」


松若丸「まあそれならよかったけど。」


満親「お気遣い頂きありがとうございます。私は大峰家一門、家臣として若のお役に立つためだけに生きていきます。」


松若丸「ありがとう。しかし、やっと硫黄の鉱山手に入るね。」


満親「硫黄の鉱山がこんなところにあるとは知りませんでした。」


竹千代「やっとだな。これで火薬作れて鉄砲が使えるか。」


辰千代「元々の土地と須田領合わせたら領地どれくらいになるの?」


松若丸「 10万石くらい。色々やって収穫高増やしてるからだけど。」


竹千代「でもまだそんなもんか。」


千凛丸「四年前は3千石だったんですよ。それを考えたらとんでもないですよ。」


満親「すごいですな。」


辰千代「そうだね。」


鷹千代「商売の収入の方が今多いんですよね?」


松若丸「そうだね。20万石超える分くらいはあるかな。鉱山開発で取れる金、銀、銅の収入も入れたらもっといくかな。」


源太郎「それがあるから色んなことができるんですよね。若、すごいな。」


長福丸「高梨氏の方はその後どうなったんですか?」


松若丸「大峰が後ろ盾ってことが広まったら今大人しくなってるみたい。」


秀胤「このまますんなりとはいかないでしょうな。」


竹千代「須田領が手に入ったんだから、次は高梨領に行くか?」


辰千代「いいね!どんどん行こう!」


松若丸「もう既に中野辺りまでは人入れてるよ。今回連れて来てない兵士たちと安倍家がまた開拓してる。」


辰千代「それ入れたらどれくらい?」


松若丸「まだ完全にうちの領地になってるのは高梨領の四分の一くらいだから、12、3万石くらいかな。」


千凛丸「半分って話ではなかったですか?」


長福丸「騙されたのですか?」


松若丸「兄二人の家臣の領地があるとかで止まってる。まあこっちも焦ってないし、その2、3万石のために軍動かす程じゃないし。様子見。」


鷹千代「高梨氏の方も何か起こりそうですね。」


源太郎「起こしにいきますか。面白いことを。」


秀胤「また近くまで少人数で出向きますか。」


松若丸「ハハ!そうするか!」


一同笑いが起きた。




話しているうちに着いた。だいぶ遠かったけど、まあ日があるうちに帰れるだろう。帰りは俺らだけだし。



松若丸「与平、この辺だと思うが、どうだろうか。」


与平「はい。この辺りで間違いなさそうです。」


松若丸「じゃあ目印付けながら俺たちは帰るよ。大峰館からここまではすぐ道作らせるから。何か足りない物とかあったら警護の戸隠衆一部残して行くから言って。俺に繋がるようになってるから。よろしくお願いします。硫黄がたくさん取れることを期待してるよ。」


与平「はい!ありがとうございました!」



来た道を馬で走っている。俺と小姓衆と戸隠衆だけだから、伊勢叔父の場所まで行きの半分も時間かからないだろう。飛ばしている。


辰千代「与平、最初に会った時よりかなり明るくなったよね。」


竹千代「自信付いたんでしょう。」


千凛丸「そうですよ。今や鉄鉱石も金、銀、銅もたくさん掘ってますからね。」


鷹千代「若と辰千代の設計図のおかげな気もしますけどね。」


長福丸「でもまあ全くの素人にはこんなにすぐ結果出せなかっただろうからいいんじゃないですか。」


源太郎「若、鉱山の警備に戸隠衆を使ってると大変ですね。」


松若丸「そうなんだよ。手が足りなくなってきて。何かいい案ある?」


秀胤「普通の兵士に守らせるのはいかがですか?」


源太郎「相手が忍だったら厄介ですよ。」


満親「雇っている忍を増やすことは難しいでしょうか。」


竹千代「なかなか忍衆っていないからなー。」


千凛丸「今、鉱山があるのが他領との堺なので、領地を広げて、鉱山を領地の中に持ってくるようにするとかはどうですか?」


松若丸「まあそれが現実的かな?とりあえずは、現時点では一つの鉱山に忍十人以上はいるだろうな。領地の真ん中にあれば少しは減らしても大丈夫か。」


鷹千代「この山の東側はどこの領地なのでしょう?」


秀胤「東側は山が続いていて小豪族がたくさんいますよ。一応、関東管領上杉家の配下ということになっています。」


松若丸「あ、それ使おう。関東管領様に挨拶の使者を出そう。贈り物をしよう。又兵衛、今武田ってどうなってる?」


又兵衛「はい、武田は高遠城を落とした後、佐久の志賀城を攻めようとしています。」


松若丸「そこに上杉憲政様が援軍送ろうとしてないかな?」


又兵衛「今のところそのような話はありません。」


松若丸「あら?そうか。じゃあまだなのか。武田と今のまま戦ったらそりゃ大敗するよな。北条からも攻められてるのに。」


又兵衛「調べますか?」


松若丸「大丈夫。ありがとう。動きがあったら教えて。」


又兵衛「ハッ。」


竹千代「どうする?」


松若丸「関東管領上杉憲政様に贈り物をしよう。何がいいと思う?誰に行ってもらうのがいいと思う?」


竹千代「何で上杉憲政様?」


松若丸「一つは、米子鉱山を守るために上州側から攻められないように上杉家と友好関係を結んでおくこと、二つ目が、武田が佐久の志賀城を攻めるときに村上と上杉家がおそらく支援をするからその時の軍資金を少しでも増やして均衡を保ってもらうため。そうすると武田の信濃侵攻を遅らせるかもしれないから、ダメ元で。あと、うちって藤原上杉家の支族らしいから挨拶しておいたら何かいいことあるかもしれないじゃん。」


辰千代「それくらいの感じならわざわざ誰かが行かなくてもいいんじゃん?いいことあるかな?」


千凛丸「八善屋にお願いしてもいいと思いますよ。」


松若丸「あっなるほど。それがいいな。じゃあ千凛丸、備後から八善屋に俺の名前で上杉憲政様に贈り物をするように頼んでおいて。」


千凛丸「畏まりました。」




その後、大久保伊勢叔父と合流し、館に帰ってきた。





後日、八善屋に俺の名前で結構高価なものをたくさん上杉憲政様に持って行ってもらった。

うちの商品は今回は入れなかった。主に軍資金。

資金はもちろん払った。


後日上杉憲政様からは八善屋を通して感謝の言葉が届いた。


これからも上杉家とは友好関係を続けていこう。



それにしても、かなり順調に来ているな。

しばらくは今手に入れたものを伸ばしていこうと思う。

外に出ていくのはそれからだ。



第二章 終了

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