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戦国野望  作者: 丸に九枚笹
第二章
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第二章 18話 鉱山と山師

1547年11月17日続き


鍛冶村を出た俺たち。


千凛丸「若、よかったですね。」


松若丸「よかった。これで鉄砲は手に入るかな。次は鉄だ。又兵衛、鉱山まではどれくらい?」


又兵衛「ここからすぐです。ここを真っ直ぐ行った黒姫山です。」


松若丸「そうか、また道案内頼んだ。」


又兵衛「ハッ。」


松若丸「主計殿、鍛冶のことは頼みました。」


中村主計「はい。私も殿のように、我が子、辰千代に少しずつ任せていこうと思いますので、こちらこそよろしくお願いします。」


松若丸「そうか。わかりました。辰千代よろしく。」


辰千代「畏まりました。」


松若丸「備後、まだ資金大丈夫だよね?」


室賀備後「はい、まだまだ用意しております。」


松若丸「そうか。ありがとう、次でも渡すつもりだからよろしく。」


室賀備後「畏まりました。」



その後少し進んで行くと目的地らしき場所が見えてきた。



又兵衛「若、見えました。」


松若丸「あれ?こっちは思ったより少ないね。」


千凛丸「住んでいるのは三十人くらいでしょうか。」


又兵衛「そのまま馬であの家の前まで進んでください。」



ある家の前で馬を降りた。

これ狭いな。


松若丸「うーん、入るのは俺と又兵衛、備後、主計殿と千凛丸、竹千代、辰千代にしておこうか。長福丸、鷹千代、源太郎、秀胤は悪いけど、馬見てて。」


一同「ハッ。」


松若丸「じゃあ、備後。」


頷く備後。


室賀備後「頼もう!」


与平「お入り下され。」


いいのかな?



松若丸「失礼します。」


与平「ようお越し下された。藤井与平と申します。」


あんま歓迎されてないみたいだな。さっきとは雰囲気が違う。


松若丸「突然お伺いして申し訳ございません。大峰松若丸と申します。」


与平「お話しは又兵衛殿から聞いております。家臣となることはこの上ない喜びでございます。是非にお仕えしたいと思いますが、こちらをご覧頂きますように、あまりお役には立てないかもしれません。」


あれ?『神託』効いてない?


松若丸「そうですか。ありがとうございます。与平殿に我が家に仕えて頂き嬉しく思います。我が家は与平殿の腕と経験を期待しています。」


与平「そう仰るのはこちらも嬉しいですが、あまりお役には立てないと思いますよ。」


家臣になる条件より、技術の話を先にした方がいいな。


設計図を広げた。


松若丸「こちらをご覧下さい。これをお使い頂いたらいかがでしょうか。」


与平「これは。…………これを使ったらかなりの量が見込めるな。」


じっと設計図を見て考え込む与平。我々も黙って見ていた。



与平「そうか!神のお告げはこういうことだったのか!これで神童様のお役に立てる!松若丸様、この藤井与平、喜んでお仕え致します!このお持ち下された設計図を使わせて頂けるならお役に立てると思います!」


おー急に明るくなった。よかった。『神託』効いてた。本当に役に立てないかもしれないと恐縮してたのか。


松若丸「ありがとうございます。こちらこそ宜しくお願い致します。鉱山開発は頑張れば頑張った分だけ取れるわけではないと思うので、固定の給金とさせて頂こうと思います。これくらいでいかがでしょうか。」


与平「そんなに頂けるのですか!もし失敗してもそれだけ頂けるということでございましょうか?」


松若丸「はい、危険な仕事でもありますからね。これは与平殿に対してで、他の皆さんにも個々にお支払いします。安定した衣食住と怪我や病気の治療もお約束しましょう。」


与平「そんなにご理解頂けているとは。感激しました。おい!与右衛門。」


与右衛門「はい!」


先程の忠兵衛より少し若い子が入ってきた。大きい。めっちゃ。この子も賢そうだな。


与平「我が子、与右衛門でございます。我々親子、この藤井家一同、松若丸様に忠誠を誓いお仕え致します。宜しくお願い致します。」


俺「そうか。こちらこそ。ありがとうございます。では、早速ですが、お願いしてもいいですか?」


与平「はい、何なりとご命令下さい。」


松若丸「では、藤井殿にはこの黒姫鉱山をこのまま開発して頂きながら、近くの柏原鉱山の開発もお願いします。鉄砲製造のために鉄鉱石を多く採掘して頂きたい。同時に山師の育成もお願いします。これから多くの鉱山開発を行う予定ですので。人はこちらで雇って用意します。新しく雇った者たちには一応見張りを付けて管理します。この大事な仕事をお任せしてもよろしいでしょうか。」


与平「はい、畏まりました。少しでもお役に立てるように骨を粉にして働きます。」


松若丸「お願いしますね。大峰館の町に皆さんが使える大きめの家も用意しますので。そしてこれも何かのときのためにお使いください。もし何かあればこの室賀備後にお申し出ください。」


こちらでも待っていた残りの資金を渡した。


与平「畏まりました。重ね重ねありがとうございます。備後守様よろしくお願い致します。」


室賀備後「こちらこそよろしくお願いします。」



黒姫鉱山の方も上手くいった。これで鉄砲が作れるぞ。あとは吉報を待とう。


松若丸「では帰るか。」


一同「ハッ。」



松若丸(『勧誘』いらなかったね。よかったよかった。)


竹千代(鍛冶集団も山師もしっかりやってくれそうだね。)


辰千代(設計図が使えそうでよかったよ。)


松若丸(そうだね。ありがとう。)



結構遅くなったな。帰りは暗くなりそうだ。

大峰まで帰れるかな。

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