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戦国野望  作者: 丸に九枚笹
第五章
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第五章 110話 妻たちと新たな政策

1554年10月1日続き


直江津の大峰家屋敷に戻って来た。

屋敷は広く、将たちにはそれぞれの隊ごとに部屋に入ってもらった。

兵たちは屋敷に入りきらないので、春日山城の兵舎を使わせてもらった。


屋敷では夕食に海鮮をふんだんに使った料理を出してもらった。さすがに刺身はないが。

俺の部屋は特別に大きく作ってあるので、ここに食事を運んでもらって妻たちと食事をしている。



信輝「皆、海はどうだった?」


詩「はい。とても良い景色でした。気持ちがすっきりしました。」


皆頷いている。顔も晴れやかだ。

無理して連れてきてよかった。

今回はうちだけしか連れて来れなかったから、今度は十神隊の奥たちも順番に連れてきてあげよう。

俺の姉妹が多いけど。


信輝「それならよかった。今度、夏に来たら船にでも乗ってみるか。」


詩「はい。ありがとうございます。」


見「はい!楽しみです。」


直「信輝様、湊で面白い武器を見つけました。」


信輝「どんな?」


直「はい、槍なのですけど、刃が分かれているのです。」


信輝「鎌槍みたいな?」


直「鎌槍とは何ですか?」


信輝「あれ?槍ってどういう種類がある?」


直「槍は槍です。」


愛「槍は直刃の直槍が一般的ですよ。長さは様々ですが。」


信輝「そうなんだ、十文字槍とかないの?」


愛「以前、父が弾正様とそのようなものを作ろうとされていましたが、その後どうなったのかわかりません。」


信輝「そうだよね。左衛門尉使ってなかったっけ?」


佳「兄がそのようなものの話をしていたような。」


信輝「そうか。じゃあ、使ってる人もいるんだろうな。でも改めて作るか、両鎌槍、片鎌槍、十文字槍、あと大見槍も長いのを作ろうかな。それで選んでもらうか。師匠に相談して槍術も考えよう。皆ありがとう。」


直「私も使ってみたいです。」


信輝「できたら武道場でやってみるか。」


直「はい!」


信輝「他何か面白いことあった?」


春「はい。八善屋の方が銭の種類が多くて困ると仰っていたのが印象に残りました。父から話を聞いていたのですが、小田原では貨幣を作っていたようです。」


信輝「なるほど。確かにうちでは貨幣鋳造してないね。皆にあげてる給金も統一されてないもんな。あんま困ってなかったけど、領地大きくなってきたらそれも考えないといけないな。ありがとう。」


春「いえ、お役に立ててよかったです。」


信輝「小田原で他に何か氏康殿に教えてもらってたことで大峰にないものって思い付く?」


春「いえ、すぐには出てきません。申し訳ございません。」


信輝「いや、大丈夫。ありがとう。もし何か気付いたことあったら参考にするから教えて。」


春「はい。」


信輝「他面白い話ある人―?」


佳「はい。この直江津には様々な方がいらっしゃいました。信輝様はどのお方が大峰の方で、どのお方がそうでない方なのかわかってらっしゃるのですか?」


信輝「確かに。なるほど。うち関所ないからいろんな人が出入りしてるもんね。だいたいどこに誰が住んでて、どこの土地が誰のものでとかの帳簿はあるだろうけど、戸籍を作るか。そしたら人口もしっかり把握できるし、税金とかも明確になるもんな。そういうの氏康殿から聞いたことない?」


春「はい、それかどうかはわかりませんが、父は何でも帳簿をつけるのが好きでした。」


信輝「そうか。ありがとう。帳簿でそういうことの整理もいるよな。三千石のときとは違うわけだし。これからもっと領地が大きくなっていくにあたって必要だな。検地もするか。いや、それは安倍家がやってるから大丈夫か。ん?農地とかは安倍家が管理してそうだな。一度集約するか。父上にも聞いてみよう。佳、ありがとな。」


佳「はい、よくわかりませんが、よかったです。」


信輝「他何かある?」


愛「お役に立てる話ではないですが、大峰のご城下は水の管理がしっかりされていてすごいと思いました。ここ直江津はそうでもなかったようなので。」


信輝「ああ、確かにそうだね。大峰は上下水道整備してあるもんな。直江津も設計はしたんだけど、まだ機能してないのかな?ありがとう。確かめてみるね。」


愛「はい。それから、こちらには大峰にあるような学校や病院は作られないのですか?」


信輝「そうだね。学校は大峰に来てもらうことを考えているけど、小さい物だったら造ってもいいね。病院は医者を育てるところから始めないとな。これも医術専門の学校でも作るか。ちょっと考えるよ。ありがとう。」


愛「はい。」


見「信輝様、この海で取れたお魚美味しいですね。大峰のお屋敷でも食べられたらいいですね。」


信輝「そうだな。大峰では川魚だもんな。定期的な運送の仕組みでも作って、大峰の城にも町にも持ってきてもらうようにするか。」


見「そうして頂けたら嬉しいです。」


詩「信輝様、ここ直江津には異国の方もいらっしゃるようでした。京にはそのような方もいらっしゃいましたが、異国の方は私たちとは違う神様をお信じになっていると聞いたことがあります。ご存じですか?」


信輝「あーそうだね。知ってるよ。確かにそれもいるね。宗教政策ね。異国の者はデウスという神を信じている者が多いみたいだよ。」


詩「さすが信輝様ですね。ありがとうございます。」


信輝「こちらこそありがとう。参考になったよ。皆こんな感じかな?皆が話してくれたことで色々思い付いたから、とても役に立ったよ。普段って城下町に行ったりしてる?」


詩「行きませんね。」


佳「お城が大きくなる前は行っていました。」


愛「そうですね。お城が大きくなる前は浅川園にも行ったりしてましたし。」


直「私はたまに。」


見「行ってみたいです!」


春「あまり出歩いたりはしませんね。侍女に買い物をお願いすることがたまにある程度です。」


信輝「そうか。じゃあ、今度から俺と一緒に行けるときは行ってみよう。城下町にも浅川園にも。警護の問題でどんどん外に出てってわけにもいかないけど。」


見「嬉しいです!」


直「気を付けます。」


詩「では皆さんで行きましょうね。」


信輝「それでさ、その時はもし何か気付いたことがあったら、さっきみたいに教えて。皆じゃないと気付かないこともあるかもしれないし。あと、皆の実家でこんなことやってたとかも参考になるかもしれないから教えて。」


一同「はい、わかりました。」



意外なところから、いい意見が出て来たな。

槍の種類を増やす、貨幣制度を作って貨幣鋳造をする、戸籍を作る、税金制度を作る、運送業を作る、宗教は難しいな。あと、大峰以外の学校と病院か。上下水道の確認ももう一回するか。

また忙しくなりそうだな。


この後はしばらく会話しながら食事をし、今日はこのまま皆でこの部屋で寝た。



翌日は、直江津を少し皆で見て回って、塩田を見学した。

塩田は何とか式、何とか式ってのがいくつかあるらしいから、ここを管理することになった安倍家から派遣されている家臣に説明して、色々やってみてもらうことにした。


そこまでやって大峰に帰ることにした。




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