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戦国野望  作者: 丸に九枚笹
第一章
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序章

ある金曜の夜、久しぶりに集まって飲んでいた。

店は何年か前から変わらず、某アイドル事務所の某関西系グループの1人の父親がオーナーの安くて美味しい鳥のお店。


で、集まったのは俺と友人2人。高校の部活が同じでそれからずっと付き合いがある、まあ親友というのだろうか。それぞれ大学卒業して、一流企業に勤めて転勤とかもあり、なかなか頻繁には会えないが、たまにこうやって集まっている。


高校入学して初めて会ってから、かれこれ20年。話すことは当時の笑い話や、それぞれの仕事の話などなど。

あと共通の趣味である日本史、城巡りの話。高校、大学の学生時代から社会人になっても全国各地の城巡りを一緒に行っている。あの時の城はどうだった、あの武将はこうだったという話もよくする。そして、あの野望ゲームのファンでもあり、自分がこの武将だったらこうするとかああしてたとか、酒も入って大言壮語を言っていた。


その時、友人の1人、中村がスマホを見ていて面白いもの見つけた。なんでも、仮想世界に入り、戦国武将となっていわゆるあの野望を体験できるらしい。もう1人の友人、山下と俺は半信半疑ながら、それめっちゃ面白いやん!ということで、3人で応募することに。


翌週の土曜日に都内某所に行くことに決まった。俺は、詳細の説明は行ってからということと、結構すんなり参加OKとなったことで、なんかちょっと怪しいけど、と思いながらもこんな面白いもの、これを逃したらチャンスはないと特に何も言わなかった。2人もちょっとは思ってるようだが、まあ勢いというかノリで行ってみることに。


それまで一週間、戦国時代を生き抜くための準備を、それぞれ何をしておくか話した。そこはみんな好きだから結構真剣に。農業、経済、産業、貿易、武器、兵制、築城、食事、医療とか、まあ仕事もあるけど、みんなそれぞれ調べておこうと言ってその日は解散した。


そして、当日土曜日。朝から駅に集合。目的地へ。行ってみると色んな企業が入っているキレイなオフィスビルの高層階の事務所。受付で名前を言って通された会議室みたいな場所には俺ら3人だけ。え、大丈夫?2人もちょっと心配そう。大人だから何も言わないけど。


すぐにビシッとしたスーツ姿の社長と名乗る人が来て説明してくれた。ベンチャー企業が開発した新しいゲームらしい。そのモニターってことで体験させてくれるらしい。しかもかかる時間は長くて一時間、1000円もらえるって。めっちゃ条件いいやん。けど、益々大丈夫?まあここまできたらやるけど。


ゲームの説明。

それぞれ専用の深めの1人用ソファーに座り、コントローラーを持ってスイッチをオンにするとゲームの中へ。VRみたいな感じね。ゲームの中で死んだら意識が戻って来ると。入ってから戻ってくるまではゲームの中で何年も過ごしていても現実では一時間もかからないらしい。何年もって、戻って来たとき感覚どうなってんだろ。まあ大丈夫って言ってるからいいか。


ゲームの中では、3人が同じ勢力に属する。3人のうち1人が、史実に基づいた先祖の中の誰かになり、あとの2人はその代々の家臣の家の誰かになる。それは選べるらしい。

あと、ゲームだから、1人3つずつ特別な能力を選んで使えるようになるんだって。選ばなくてもいいらしいけど、まあそこはもちろんもらっときます。3人で話し合って決めました。それぞれの能力はまあ追い追い。


で、史実に基づいた先祖を調べるのに、採血するらしい。マジかよ。怖いよ。まあここまできたらやるけど。ってか、それで先祖がわかるってその発明だけでめっちゃ凄くない?


結果、俺が長野県の豪族、山下が宮崎県の豪族、中村が神奈川県の豪族だった。大名はいません。わかってたけど。そこから天下統一は果てしなく遠い。ってかよくそんな地方豪族までわかるね。話し合った結果、俺が史実、2人が家臣でってことになりました。


さて、3人それぞれ埋もれるようにソファーに座りコントローラーを持ってスイッチをオンに。

だいぶ説明足りない気がするけど、まあゲームだしね。人体への影響ないって言うし、もしダメでも一時間以内に帰って来れるらしいからとりあえずやってみよう。


じゃ、行ってきます。

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