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第12話 蠢動-3

「こんにちは。調子はどうですか?」


「おお、奇康さん。よく来たな」


「ここを卒業したってのにマメなことだな」


 私は村松さんの一件を目撃した翌朝、ホームレス街を訪れてました。

 源さんと星さんの様子を見に来るためです。


「これ、コンビニの弁当です。後で食べてください」


「こりゃありがてえ。ありがたくいただくわ」


「ふん。礼は言っとくよ」


 星さんは相変わらずツンデレっていうやつですね。差し入れは北沢くんから巻き上げたお金で買ってきたものです。

 私、ゾンビ奇康、受けた恩は忘れない男。恩には恩を仇には仇を。それが人生の基本方針でございます。


「あれからどうですか?他の無軌道な若者たちが来たりはしませんでしたか?」


「あの日以降は平和なもんだよ。けれど、ああいう輩は定期的に湧くもんだ。だからいつまで平和が続くかはわからんけど」


「この間みたいな状況で私に連絡できるかどうかは分かりませんが、もし相談する余裕があるようでしたらまた助けに参りますよ。彼らみたいな者も利用価値がなくはないですから」


「そ、そうか・・・その時は頼む」

 

 何でしょうか、源さんがじゃっかん引いているように見受けられます。


「ああ、この弁当もそうだけど受け取るだけじゃ悪いからよ。なにか俺たちに頼みたいことがあったら遠慮なく言ってくれ」


 星さんが嬉しい事を言ってくれます。


「そうですね。それは有難いです。今、スグというわけではないのですが少し調べてもらいたい事があるのです。詳細が分かったらその時はお願いいたします」


「おう。任せとけ」


「ああ。いいよ」


 思わぬところで、お二人から協力を得られそうです。

 ゾンビになる前は人の縁には恵まれませんでしたが、今生では違うようです。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 私が新たな住居になった用務員室に戻ると、ネット通販で頼んでいた水筒が届いていました。例の大村さんが使用していたものと同じものです。

 しかし、今の技術というのはすごいですね。どろぉーんというもので即ぷーんと飛んできて箱を置いていきました。

 使い魔とかで同じことが出来ませんかね。


 私は大村さんの水筒に入っていた飲み物を備え付けの冷蔵庫から取り出し、通販で購入した水筒に入れました。

 飲み物を特定するためコンビニで買ってきた飲料を飲み比べするのはなかなか楽しかったです。


 私は更に、粉末状の下剤をその水筒の中に入れ、100均というお店で買ったティースプーンで混ぜていきます。処方箋がなければ買えないような強力なやつです。

 無味無臭がすばらしい。


 その下剤は・・・、ご主人の不倫を教えてあげたら発狂して住居兼用の薬局に火をつけた御婦人から提供していただきました。

 まあ、教えて差し上げる前に催眠魔術で倫理観を低下させるような処置をしたのですがね。


 それに提供頂いたのは下剤だけではございません。

 薬局にあった薬は焼け落ちる前にごっそりいただきました。燃えてしまった扱いになるので治安機構が調べても足がつきにくいでしょう。

 

 インターネットと言うのは素晴らしいですね。薬の名前からどういう効果があるのか分かります。


 さて、準備は整いました。わたしは水筒を冷蔵庫に入れると、用務員室の固く薄い布団に横になりました。

 

 アンデッドは眠れません。

 明日を楽しみにしながら朝を待つのでした。



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