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甘い時間  作者: 古賀荒 にきよ
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甘い考え

バイト代はいいし、賄い付き。由美恵もいるからバイトは楽しい。

店長もとてもいい人だ。


夕方から入って、賄い食べてバイトが始まる。

遅いと23時過ぎになってしまう。


休憩は都度、お客の入りによってバラバラだ。

今日は、平日の給料前と言うこともあり、21時頃に休憩が取れた。


「もしもし、和希君?いま、休憩取れたの」

「お疲れ様。この時間に取れたってことは今日は忙しくないんだ?」

「そうなの。さすが給料日前はあまりお客さん来ないよ」

いつも、その日あった事とか話をしている。声が聴けるだけでうれしいが、離れてから10日。

寂しくなってきている。

「和希君、会いたいな・・・。」

会えないのは十分分かっているが会いたくて仕方がない。

バイトの疲れも出ているのかもしれない。和希君に癒されたい、そんな思いが言葉にしたことで強くなった。

「俺だって会いたいよ。もっとゆっくり話もしたいし。けど、あゆみは忙しそうだし、俺も今後の事考えたら仕事先も色々考えないと。あゆみを養うためにはどうしたらいいか、毎日考えてるんだよ」

将来の事を考えて動いてくれている和希君に嬉しさと、忙しくして話す時間をなかなかとる事が出来ない状態にしている申し訳なさと、色々な気持ちになってしまった。

「・・・そうだよね、ごめんなさい。私のわがままで・・・」

「あゆみ、謝らなくてもいいよ。バイトも大事。お金を稼ぐってどういうことかよくわかるからさ。けど、俺も寂しい。で、あゆみが寂しいって言ってくれるのは切ないけど嬉しい」

和希君も同じ気持ちだと改めて思う。

「頑張れ。ちゃんと応援しているから。けど、危ない事とかだけには気を付けるように。わかった?」

和希君が心配しない様に、お互い少しでも寂しくならない様に。

バイトも頑張るけれど、和希君との時間も大切にしないと、と改めて思った。

「わかった。危ない事はしないし、和希君ともたくさん話せるようにもう少し、時間考えてみるね」

そう約束して電話を切った。


「今日は、お客も少ないからたまには早めに店閉めて、みんなでご飯食べに行こうか?」

なるべく、時間のある限り和希君と電話をしたりメールをしたり。何らかの方法で連絡を取る努力をして1週間。寂しいなりにも少しずつこの生活に慣れてきたときに、店長から声を掛けられた。

「良いですね、あゆみ、行こうよ」

由美恵が嬉しそうに言う。

確かに今日は給料日前の平日で、客の入りもいつもより少ない。

「由美恵が行くなら」

「もちろん、行くよ。って言うか、誘ってくれたってことは店長のおごりで良いんですよね?」

「はいはい、二人にはいつも頑張ってもらっているからおごりますよ」

ちょっとあきれ顔になりながら店長が由美恵に返事をした。

店長はいい人だし、由美恵と一緒だし。

和希君にはメールでご飯を食べに行くことを伝えて、お店を早めに閉めた21時から、3人でご飯を食べに行った。




転職と引っ越しをすることになりまして執筆が遅くなっております。申し訳ありませんが気長にお待ちいただければと思います。

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