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甘い時間  作者: 古賀荒 にきよ
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嫉妬1

自分の部屋につくと、玄関前に和希君がいた。

「・・・、なに?」

まだ、頭が冷えていない私は和希君を軽く睨む。

「・・・、いや、ごめん」

「何に対しての『ごめん』?私を怒った事?恋愛相談のっていてい

あたしの電話に出なかったこと?」

「・・・全部」

和希君が、本当に悪いと思っているのは感じる。

けど、恋愛相談乗っていたとか、二人でいたとか・・・。

本当に彼氏の相談だったの?って思う。

なんでだろう、和希君が私を裏切るとは一つも思わないけれど、

彼女の方は、下心があって和希君と話してたんじゃないかとしか思えない。

私って、心狭いな・・・。

和希君が面倒見がいい事はわかっている。

相談に来れば必ず乗るのも・・・。

そこに付け込んできた気がしてならないところに腹が立つ。

・・・、これじゃぁ和希君に怒るの筋違いだ。

「・・・相談に乗るのはいいよ。けど、せめて電話に出るか

私をいきなり怒り出すのは止めて。ちゃんと話を聞いてほしいし、言って欲しい」

「わかった。本当にごめん」


しょげている和希君をこれ以上責めてもダメなのはわかっているので、頑張って普通に

話をする。

「で、何の相談だったの?千佳さんって人からの」

冷静に、冷静に・・・。

自分で思い続ける。

「千佳の彼氏が榊って言うんだけど。どうやら榊が他の女と遊んでたって

言うんだ。けど、榊は千佳に惚れまくっているからありえないと思うんだけど・・・。」

榊さん、ちゃんと捕まえておいてくださいよ・・・、と思ってしまう。

「で、榊さんとは話したの?」

「いや、あいつら一緒に生活していて千佳が部屋出てきたって言うんだ」

「え?じゃ、今千佳さんどこにいるの?」

「俺の部屋にいる。誰にも相談できないっていうし・・・」

いやいや、おかしいだろ。本人不在の部屋に留守番って。

彼女じゃないんだしさ・・・。

「で、和希君はここに居ていいの?」

やっぱり腹立ってきた。

「千佳より、あゆみととりあえず話さなきゃと思って」

そう言ってくれるのはうれしいけれど、一人で和希君の部屋にいるのも

ものすごく気になるんですか・・・。

「で、なんて言って出てきたの?」

「あゆみと話してくるって。あゆみが嫌じゃなければ、連れてくるって・・・」

ちょっと上目遣い気味に私の顔を見る。

まぁ、私が行くことを承知しているのなら・・・。

私にとってはあった事がなくても先輩には変わりはないわけで、

そうすると、強く出れない立場でもあり・・・。

まして、これ以上二人きりにはさせたくないし・・・。

「わかった。用意していくよ」

そういうしかなかった。



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