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甘い時間  作者: 古賀荒 にきよ
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初喧嘩

免許の実地は問題なくクリア。

残りは学科だった。

「受かるか?大丈夫か?」

と心配する和希君。

「一番の心配どころだね。けど、頑張るよ」

勉強は大の苦手。

大学に来たのも両親の

『大学には行っといたほうが良い。大学行ったら成績なんて気にしなくていい。

4年で卒業できるように単位取ればそれでよし』

というご意見で。

だから、基本は勉強は試験前のみ。

学校には出席日数が足りなくならないように数えながら行くだけ。

後は、友達に会ってしゃべって。

そんな生活なものだから、勉強する気が起きない。

「お前、本当に勉強しなくて大丈夫?」

と和希君が心配するほど。

私自身、意外と楽観視していたが、試験時間が近づくと落ち着かなくなり、

必死に教科書を読みこんだ。


試験の結果は合格。

全て、一発合格だった。

最後に教科書を読みこんだのが良かったと思われる。

多分、ギリギリの成績だったと思うが何とかクリアできて良かった。


試験が終わり、免許作成の為写真撮りやら手続きを取りなんだかんだと

時間がかかった。

その間に、何度か和希君には合格の連絡をしたが、何故か電話がつながらない。

そうこうしているときに、大木先輩から電話があった。

「どうだった?」

「受かりましたよ。やっぱり一発で。私ってすごいと思いません?」

ちょっと調子よに乗った感じで話をした。

「それより、和希君知りません?何度電話かけても繋がらなくて」

「あいつなら、出かけていったよ」

「どこに?」

「そこまでは知らんけど・・・」

本当は一番に合格した事伝えたかったのに・・・。

大木先輩と電話を切って、もう一度電話をしたがやはりでなかった。



和希君から電話が来たのはその30分後。

「受かったんだって?なんで俺が、大木から聞かなきゃダメなの?」

いきなり電話で怒りだした。

「何回も電話かけたよ。メールもしたよ。それでも電話もメールも

気が付かなかったのは和希君の方でしょ?」

ちょっとイラっときてしまった。

私だって一番最初に知らせたかったのに。なんで怒られなきゃダメなの?

「俺だって色々あるんだよ。なのになんで大木に先に言うかな?」

まだ言い続ける。

「ごめんなさいね!けど、一番最初に伝えたかったのは和希君だし、

その為に連絡したの。

電話を取らなかったのは和希君でしょ!」

ちょっと語尾を強く言い返してしまった。

「で、電話出れない何があったっていうの?」

やはり強い口調で聞いてしまう。

「・・・、いや・・・。ちょっと相談を受けていて・・・」

切れの悪い言い方をする。

「誰から相談うけて他の?何の相談うけてたの?」

「えーっと・・・。千佳って同級生の子の恋愛相談を・・・。

彼氏の言動に不満があるとかで・・・」

「和希君は、女の人の恋愛相談うけていて私の合格の電話を取らずに、

私に対して怒ってるの?どういうこと?そもそもなんで、女の人の恋愛相談

のってるの?二人きりだったってこと?」

あまりにも理不尽に怒られているんじゃないだろうか?

「で、私が怒られるんだ。納得いかない!!」

「だからって、大木に受かった事言わなくてもって思って・・・。

ごめん、焼きもちです」

謝ってくれても、怒られたことだけじゃない、今私が怒っているのは。

「もう、いい。その千佳って先輩の話聞いてあげてください。

私は自分の部屋に帰ります!!」

「いや、迎えに行くから・・・」

「シャトルバス出ているからいい。一人で帰る」

電話をガチャ切りして、免許書も貰えたので、そのままシャトルバスに乗り込んだ。




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