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濃い恋がしたい!  作者: とさか
2章 距離の期待
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11月2日 ぽつり今思うこと

この高校に入って早半年を越えた。4月の時はあんなにも緊張して、周りとも会話できなかった俺だったけど、今ではこんなにも仲良くなった人がいる。周りとも......喋れてるよな??多分。


海影とは絶対仲良くなっただろう。まああいつのことはまだまだ知らないけど。人には人の過去があるだろう。仲が良いとは言ってもまだ数日の仲だ。また土足で人の心へ入り込むことなんてしたくない。さすがにそこまで探る必要はないか。単純に人の過去が気になるんだけどな。中学であんな目にあったからかもな。思ったより深い傷だったんだな。そんなこんなあり傷もだいぶ癒えてきたけどね。


中学の頃はあまり頭が良くなく、勉強も置き去りにされていたなぁ......。このままだと、底辺みたいな人生しか見えなくて絶望ばかりだったから。とりあえずいっぱい勉強した。塾にも入れてもらって。

塾では先生がきっちりみっちり俺のために教えてくれた。そして、塾の帰り道。ある英語の広告を見たのがきっかけでそれが俺を文系の道に導いてくれたと言っても過言ではない。まあもとから数学は苦手だったしね。

そこから受験までの間ずうっっと勉強していたなあ。時々遊びに行ったり気分転換もしたけど。


すると結果が顕著に表れて、英語のテスト成績140人中15位。ちなみに前回は107?だったけな......。

塾に行ったってこともあるけど、やっぱり自分自身のやる気で結構変わった。


そしてそこから、ほかの教科もどんどんどんと学んでいき。なんとか合計点数順位は全体で20位!

自分のところの学校はレベル高かったから、上位校は保証されたようなものだった。けど決して油断せずに必死に頑張って、高校の正門で俺の受験番号があった時は努力が実を結んだのだなってバレーの時と同じように思えた。


そう思えば、昔の俺と海影はどこか似ているところがあるのか?今の俺は、昔と比べると努力することが少なくなっているんだなとは実感していた。実際、以前に努力したおかげでだいぶ余裕ができたから。


今度は数学を克服しろ。って誰かが言ってるのかもね。最近あいつが教えてくれたおかげで、だんだん分かるようになってきた。文武両道も大切な目標だから、きっちり苦手教科をつぶしていこう。


『ぽつり今思うこと』


静かでゆっくりな雨のひとつひとつをじっくり見る

アスファルトの蟻からみると大海の、ちいさな水のたまり場から音がする

部屋から覗くと外と違って案外楽しいものだ


そしてこの後の出るか出ないかわからないままのもの

光がさしてその7色が出るまで、私はずっと見る

たとえそれが、出るはずのない雨であれど


じっと待ちつづける。ゆっくり透き通った、罪のない雨に思いを寄せて


だって最後はなにがあっても、「陽」で終わりたくないか

最後にはきっと、きっと、楽しいことがそっと、僕達の目の前を通るであろう


それまでの辛抱があるからこそ、その時の楽しみが倍に膨れ上がるだろう



11月2日 山崎陽向(やまさきひなた)



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