目覚めは
初めての投稿なので、暖かく見守ってほしいです!ぜひ楽しんでいってください。
まどろみから、そろそろ起床時間だと体が訴えている気がする。
今日もいつもの平々凡々な日常が、待っていると気づいてても気づかぬふりし無くてはいけない。
「まったく・・社会人てツライわ」
唸りながら体を起こし、無理やり気合いで目を開ける。
起きぬけで目に入ったのは、古びたアパートの見慣れた部屋ではなく、キングベットサイズにレースカーテン。
ロマンチック溢れるアンティーク家具に囲まれたゴージャスな部屋だった。
横文字が多すぎて起き抜けに混乱している。
頬をつねろうとしてあげた手に、サラッとした何かが当たる。
目線を落とすと、これが世に言う陶器のような肌か。と納得する位の白く華奢な小さな手に、絡まる金色のウィッグ。
引っ張ってみたら頭皮が禿げそうだった。
さりげにウェーブのかかった純粋な金髪にテンションが上がり、何度も指に絡めてクルンクルンして遊んでみる。
そして華奢な白い肌を舐め回すように見た。
私の美白への執念は結局無駄だったんだなと、本物を見て思った。
落ち込んでなんてないなんてない。ないったらない。悔しい。
がっかりしてる場合じゃない。
とにかく、せっかくこんな格好なんだから歩き回って自慢しないと。
レースカーテンからでると、自分の今の格好がレースをたっぷりあしらった世に言うネグリジェだと気づく。
「夢でも、この格好はマズイよね・・・ん?なんか視線が低い」
こんなに豪華な部屋にクローゼットが無いはずが無いと決めつけて探す。
開いたドアの中はまさかのウォークインっていうよりも、衣装部屋でした。
それはそうですよねー。