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You saved I  I saved you  作者: 頭 垂
第三幕
21/33

二十一話

「あのクソが……。サボりか? にしても一言ぐらい連絡入れろや」

零士は苦々しげにそうぼやいていた。それもそうだろう。零士の仕事は嵐の監視なのだ。その嵐の手綱を握れていないなどと上層部に知られてしまえば、減俸は免れないだろう。

そんな時、ふと零士のポケットに入っているスマホが揺れる。

マナーモードにするのを忘れていたことに慌てながらも、周囲には気づかれていないことを安堵しながら、周囲に気付かれないように画面を確認した。

メールが来ているのを知らせていたようだ。メールを開いてみると、そこにはこう書かれていた。

『誰がクソじゃ。ボケが』

「嵐! 貴様、見ているな!」

零士は慌てて立ち上がって周囲を確認する。だが、教室内のどこにも嵐の気配はしなかった。

「どうした? 急に立ち上がったりして」

そして、自分に怪訝な視線を向ける周囲と担任の姿に気付いた。

零士は努めて平静を装うと、

「すいません。持病の発作が……」

「急に奇声を上げて立ち上がる持病なんてお前もってたか……? まあ、いい。とりあえず、今はHR中だ。座れ」

「すいませんでした」

多少、変な目で見られてしまったが、そのことは思考の端にでも追いやることにしよう。気にしていたら死にたくなるしな。

零士は嵐に色々と聞きたいことがあったので、メールで聞き出すことにした。

零『何でさぼってやがるんだよ!』

嵐『急に授業がめんどくなった』

零『なら、事前に一言ぐらいいれやがれ!』

嵐『ハァ? なぜにそんなことをせねばならぬ。貴様はこの俺様の保護者気取りか。反吐が出るから悔い改めろ』

零『なぜにそこまで辛辣に言われなければならんのだ!』

嵐『理由なんて要るのか?』

零『……もうあきらめることにする。それで? 今どこにいるんだ? どうせ未来と一緒にいるんだろ?』

嵐『まあな。部室でてきとうに過ごしてるよ』

零『わかった。気が向いたら授業に出てくれよ?』

嵐『カッ。めんどくせぇ』

こんな感じでメールのやり取りは終わった。

零士の口からは大きなため息が漏れた。

誰か、誰でもいい。嵐を制御するためのリモコンか、嵐の取扱説明書を作ってくれ。


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