青い月
「私、月に呪われてるの」
「じゃあその前に、君を掠いたい」
その言葉がプロポーズだった。
「でも、今回もダメね」
「どうしてだい」
「だってあなた、月だもの」
彼は私に触れられない。だから分かってしまった。
「もっと上手く騙してくれたら、私だってあなたに酔えたのに」
つかず離れず。いや、つくことも離れることも叶わず。
「でも僕は、あなたを愛している」
ええ、私もよ。
でも決して、相容れない。
だから私は逃げる、
その冷たい、私と同じ色をした青い月から。
雫は光って星になる。
-終-
月と地球の物語。
思いついて即書きました。