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1話 出会い

少年が冬の夜に見た妖精との思い出の話です。

3話完結で1話あたり2000字前後としています。

雪が降り積もる静かな夜。

少年は、いつも通りベッドで眠りについた。


サァ――――……

風が少年の頬を撫でる。

目を開けると少年は、太陽が照らす緑豊かな丘の上に立っていた。

(風が気持ちいい…)

少年は青空が広がる空を見上げて深呼吸をする。すると、

チリン、

風に乗って小さな鈴のような音がした。

少年が音のする方へ振り返ると、蝶のように綺麗な羽が生えた妖精が少年の様子をうかがっていた。

妖精は少年と目が合うとゆっくりと近づいてきて、その大きな瞳に少年の姿を映した。

「君はここに住んでいるのかい?」

少年が尋ねると妖精は、にっこりと笑顔でうなずいた。

そして、妖精は少年の周りをぐるぐる回った後、肩に乗って空を眺めた。

少年も妖精と同じように、ゆっくりと雲が流れている青空を見上げた。

しばらくそのまま眺めていると、妖精は少年から離れ、振り返り、笑顔で手を振った。

その瞬間、強い風が吹き少年は思わず目を閉じ、次に目を開ける時にはベッドで横になっていた。

いつもより早く目を覚ました少年は、ベッドから立ち上がり窓から外を眺めた。

外は相変わらず真っ白な銀世界で、空はグレーの雲に包まれている。

少年は、窓から見える景色とは正反対だった夢の中の緑の丘と、そこに広がる青空を思い出しながら、また妖精と会いたいと願った。


その日の夜。

再び少年は眠りにつくと、昨晩と同じように丘の上に立っていた。

そして、少年を待っていたかのように妖精がすぐに飛んできて、少年の服をつかんで引っ張った。

「どこかに案内してくれるの?」

妖精は、チリン、チリン、と音を立てて頷き、丘の下にある森を指さした。

そこは木々が生い茂り、木の陰で森の中はひどく暗く感じられる。

(先が暗くてよく見えない。少し怖いな…。)

少年は最初、行くことをためらったが、妖精が期待に満ちた顔で手招きしていることと、この先に何が待っているのだろうという冒険心に抗えず、妖精についていくことにした。

森の中はやはり足元が見えにくく、少年は転ばないよう注意深く進んでいった。

妖精が放つ淡い光を頼りに進んでいくと、次第に明るく視界が開けてくる。

そこを抜けると大きな湖があり、その周りには様々な妖精たちがいた。

妖精たちは、湖の上や草木の上を飛び回ったり、お昼寝をしたりと自由に過ごしていた。

「わぁ、すごい賑やかだね。」

妖精に語り掛けると、妖精はにっこりと微笑んだ後、他の妖精のもとに行き、何人かの妖精を連れてきた。

妖精たちは、少年の近くに来るとくるくると飛びまわり、初めに出会った妖精と同じように服を引っ張り、湖の周りを案内してくれた。

その間も一番初めに出会った妖精は、少年を近くで見守っていた。

そして少年が疲れた頃、初めに出会った妖精は湖から少し離れたところにある大きな木の下に少年を案内し、木の根にちょこんと座った。

少年は、その妖精の隣に並ぶように地面に座った。

湖で出会った他の妖精は、まだ遊び足りないらしく湖の周りで遊んでいる。

そんな妖精を眺めながら、少年は隣に座る妖精に話しかける。

「はぁ~、こんなに思いっきり遊んだのは久しぶりだよ!楽しかった!

 ありがとう。ここに連れてきてくれて。」

妖精は、少年の言葉を聞くと満足そうにチリン、チリン、と音を鳴らしながらうなずいた。

すると、また突然強い風が吹き少年は目を閉じた。

次に少年が目を開けると、自分の部屋の天井が目に入った。

少年は寂しさを感じつつ昨日と同じように窓から外を眺め、夢の中での出来事を思い出していた。

思い出していく中で、少年はいいことを思いついた。

(そうだ!この夢を日記に書いておこう!)

少年は、急いで紙を取り出し、夢の中での出来事を後から読み返しても思い出せるように丁寧に日記へ書き留めた。


その日から数日、少年は毎日夢の中で初めに出会った妖精に会い、遊んだり日向ぼっこをしたり、妖精たちと一緒になって虫や動物たちに悪戯をして楽しく過ごした。

そして、強い風で目を覚ますとその日の夢での出来事を日記に書くことが習慣になっていった。

童話をイメージして書いています。

初めて投稿するので、至らぬ点あるかと思いますが、よろしければ感想やアドバイスなどをいただけると嬉しいです。

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