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末永、未来人だってよ。  作者: VIKASH


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8

 



 そのはずだった。

 俺は、帝国に裏切られていることにはやく気づくべきだった。


 畜生。笠松のやつ、何をした。


 おかしい。

 五大都市に設けられた、いくつもの発射装置が発動しない。


 それどころか、笠松の電話番号が不在着信でかかってきてはいるが、出られない。


 笠松……じゃないのか。

 誰がこんなことを。


 考えても、考えても答えはでない。

 どうしろという。

 俺にどうしろという。


 何もできないのか。結局は俺は何もできやしないのか。

 太ももを叩き、目を瞬かせる。

 こんなことしていられないだろう。


 待てよ。

 末永は言っていたよな。

 私利私欲が混ざれは成功しないって、言ってたよな。そうか。そういうことだつのか。


 俺は灯台の下で、コンタクトを日が暮れても尚探し続けているかのように。

 視野が狭かった。

 曇ったレンズで、遠くを見ては、「あ」と声に出す。


 あの女がウインクしているのが目に取れた。


 言いやがったな。

 畜生。言いやがったな。


 栗原リカにしてやられたんだよ。


 ビルの屋上で、あの女が手を振っているのがわかる。


 悔しかったが、これ以上は何も言えない。

 泣き寝入りするしかないのか。


 こうして、俺の計画は失敗に終わる。

 全て失うとはこういうことなのか。



「ただね、僕にもどうなるかわからないんだ。うまくいくか、それとも……」



 末永は言っていた。

 それとも……のあと、俺はそれ以上言わなくていいと言ってしまった。


 聞くべきだった。

 なぜ聞かなかったのだろう。

 どうして、そんな愚かな真似を。

 俺はしてしまったのだろう。


 時間は帰ってこない。

 金も返ってこない。


 どちらも浪費し続け、いつか俺は帝国への反逆罪で、捕まる。


 ノンシュガーよろしく、ビターな缶コーヒーを飲み終えると、俺は警察署に出向いていた。


 出頭する。

 だから、これ以上は計画の邪魔をしないでくれ。


 必ず、俺は戻ってくる。

 負けていられない。

 黙ってもいられない。


 やる時はやる。

 なぜなら、真実はいつもひとつだろう。


 俺にとっての真実はいつもひとつだ。

 やってやろうか。


 俺がやらなきゃ誰がやる。


 全ては末永のシナリオ通りに。



「お巡りさん、こんな顔知りませんか?」

「……入っていいぞ」



 俺は警察に扮すると、警棒を手にし、窓ガラスを割ってやった。車に乗り込み、研究施設へと向かう。



「待たせたな。ようやく自由だ」

「こちら、田中だ。準備はよろしいか?」

「ああ、もちろんだ」

「発砲を許可する」



 目の前に、火の気が上がった。

 そうか。俺がやったんだな。


 大したんもんだ。

 顔は青ざめていた。


 でも、こうするしかなかったんだ。

 すまないな。






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