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「久しぶりだな。小学生以来か」
「ああ」
笠松は、政府の役員だ。
昔から頭はひとつ飛び抜けていた。
先生に宿題は非効率だ。
お金の仕組みは理にかなっているが、さらに効率的な通貨とは何だと思いますか?
と訊いていたりしたものだ。
その頃から、末永はいた。
飛び降り自殺の末永くん。
生きてるんだよな。
今もどこから見ていたりしてな。
「なあ、笠松。末永、覚えてるか?」
「誰だ?」
笠松も覚えていないらしかった。ここまで来ると、俺と末永の間に何かあるんじゃないか。と、思えてくる。
「この金で何ができる?」
「政府を動かすことはできるだろう」
「無計画でな。笠松には頼みづらいんだが……」
しばらく話したあと、笠松は俺の要望を承諾した。
内閣に立候補するらしく、俺は金を信頼できる笠松には預けるとその場をあとにした。
本当にこれでいいのか。
もったいない気もした。
一旦、ノンシュガーの佐藤を脱獄させる。
脱獄のニュースは、たちまち東西南北を立ち回り、駆け巡るように世間の注目を集める。
簡単な情報操作だった。
名前の有名な人間がいいといえばいい。
誰か言い始めれば、そこには火がつく炎上する。
たとえ、それが犯罪だとしても。
たとえ、それが善行だとしても。
大衆には区別がつかない。
大衆のIQの平均は、90〜110。
俺も108しかない。
だから、笠松のような天才が考えていることは、わかりかねた。
コンビニでいいか。
ふとコンビニに立ち寄る。
コンビニで水を買う。
これで充分だろうな。
さあさあさあ、始めましょうよ。
帝国の皆さん。
「工藤、どこにいる?」
「配置された場所にいる」
「始めるぞ」
「始めてくれ」
拳は使いたくなかったが仕方ない。
金はもう必要ない。
帝国は俺のものだ。
国を内側からひっくり返す。
内閣……笠松茂雄
そして、俺は教祖様か。
何をしているかな。
ヨー教。
「働くことは正しいですか?」
「時間は何のためにあると思いますか?」
「何のために生まれたかわかりますか?」
時間をかけて、教徒を洗脳していく。
そんなに時間は掛からなかった。
国を牛耳り、手玉に取った。
あとは外側だ。
外国との駆け引きがある。
この帝国に目をつけたのは、わけがある。
どの国も核保有国であったが、帝国は細菌の研究に盛んだった。
とある細菌を作った。
未知のウイルスだ。
パンデミックを起こすんだ。
そうだよな?
末永くん。
期待してるぜ。
「笠松、すべての地点に発射装置をつけた」
「本当にこれでいいんだな」
「任せてくれ。こっちには勝利の女神がいる……」
「世界がひっくり返るな」
「ああ……」




