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末永、未来人だってよ。  作者: VIKASH


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4/8

4

 



 俺は気がつけば、泣き叫んでいた。

 戦争の無慈悲さを、悔しさを手に土を掴み、怒りを露わにした。


 ああ、もうどうしたらいいんだ。

 急に現れたと思ったら、いなくなるよな。


 末永はビルの屋上から飛び降りたらしかった。

 なんで、そんなことをしたのか。

 俺にはわからないし、理由もいまだにわからない。


 ただ一つ奇妙なのは、末永の遺体が見つからなかったこと。


 いくら未来人とはいえ、あり得ないことだった。

 どんな奇術を使ったのか。


 不思議で仕方がない。

 佐藤と俺が軍警により、調べられた。

 末永に関する事情聴取が行われ、怒った顔の怖いお兄さんが、俺たちに詰問する。


「知らないんだ。本当に知らないんだ」


 ここまでは台本通り、あのビルの爆破も全て計算されている。

 彼には、ことごとくまるで手のひらの上で弄ばれているかのように、俺以外が踊らされていた。


 話を聞いていたから、俺ももちろんこうなることを知っていた。


 すまんな。ノンシュガー。


 なぜか、スイッチの指紋は佐藤の指紋が検出され、爆破テロを行った張本人として、佐藤が現行犯逮捕された。


 正直言って、佐藤を失うことが辛かったが、佐藤はあまりいいやつではなかった。

 ジミーズの中でも、特別目立たないが、女に甘いからなのか。


 佐藤には女友達がいたんだ。


 その女友達の家に転がり込み。

 所謂ヒモと呼ばれる職業をしていた。


 気になるところだが、トリックは簡単だ。


 末永が持っていた爆破スイッチには、佐藤に触らせてあった。


 もちろん、佐藤が触るタイミングなんて、どこにもない。

 末永は細心の注意を払い、手袋をしていた。


 いや、未来人ともなると遺伝子操作が可能だから、指紋を消すぐらい容易いのかもしれないが、末永はそれを行わなかった。

 なぜなら、そこにはちょっとした仕掛けがあったからだ。


 佐藤の指紋にすり替える。という、末永の渾身の反撃が為された。


 佐藤は知らないふりをして、必死に罪を晴らそうとした。

 だが、それも計算の内。


 俺は毎日、佐藤に会い面会に行った。


「大丈夫だ。冤罪に違いない。いつか免れる」


「そうだよな。俺、大丈夫だよな」


 あーあ、嘘をついた。

 佐藤、お前はピースなんだよ。


 帝国をひっくり返すための鍵でもある。


 佐藤は地味なやつだったが、帝国の上層部の女の所に転がり込んだらしい。

 それが狙いだった。


 俺はその女に近づき、脅した。


「佐藤ちゃんはどこにいるの?」


「あいつのどこがいい。話がある。いっぱい奢る」


 俺は、そう吐き捨てると、その女を金魚のフンのように歩かせた。







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