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ホスト太子 〜歌舞伎町の救世主〜  作者: 櫻木サヱ
王子の夜明けII ~新たなる陰影~
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影の再来

夜が明けきらぬ繁華街の裏通り。

 濡れたアスファルトに、赤いネオンの光が滲む。

 Prince TAI――その背中を、風が掠めた。

 誰もいないはずの路地裏で、太子の感覚がわずかにざわつく。


「……来たな。」


 声を発した瞬間、空気が歪む。

 闇の中から、黒いフードを被った男が現れた。

 その瞳には、千年前の記憶に似た冷たい光。


「ようやく見つけた――“太子”」

 その言葉に、Prince TAIの眉がわずかに動く。

 過去の戦場で見た因縁の名が、記憶の底から甦った。


「……まさか、“左近衛将”か」

 男は笑う。

「いいや。俺はその血を継ぐ者だ。お前が封じた“闇”を解き放つために来た」



 クラブ「NEO」の奥では、咲と麗が不穏な気配を察知していた。

 咲は携帯を握りしめ、震える声で呟く。

「Prince TAI……まさか、一人で?」


 麗はすぐに立ち上がる。

「……行くわよ。今度は私たちの番。」

 二人の視線に、迷いはなかった。



 一方その頃、Prince TAIの瞳が夜を切り裂くように光った。

 和魂ノ剣の輝きが、胸元に浮かび上がる。

 金色の残光が空気を震わせ、風が弾けた。


「千年の夜を越えても、守るべきものは変わらぬ」

 声は静かでありながら、どこか神聖な響きを持っていた。


 男は嗤う。

「ならば、その覚悟を証明してみせろ。王子――!」


 次の瞬間、衝突。

 金属の音ではない。

 魂と魂がぶつかり合うような、光の閃き。

 アスファルトが砕け、風が渦を巻いた。



 咲と麗が駆けつけたとき、路地は既に焦げた匂いに包まれていた。

「Prince TAIっ!」

 咲の声に振り向く彼の頬に、一筋の血が流れている。

 それでも彼は、穏やかに微笑んだ。


「心配をかけたな。だが……こいつらはまだ序の口だ。」

 麗の瞳が揺れる。

「まさか――“闇の継承者”たちが動き始めたの?」


 Prince TAIは静かに頷いた。

 その目には、夜明けの光が映っていた。


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