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夜の王者、再び

 街のネオンが雨に濡れてきらめく夜。

 クラブ「NEO」のフロアには、Prince TAI――太子がその名を轟かせるホストとして、今日も光を放っていた。


「いらっしゃいませ、Prince TAIの夜へようこそ♡」

 いつもの笑顔で手を振る。

 しかし、その瞳の奥には、千年前の戦いの記憶と覚醒した“和魂ノ剣”の力が、まだ微かに揺らめいていた。


 客席には、初めて来店する客たちもいれば、常連の美女たちもちらほら。

 Prince TAIは巧みに会話を操り、笑顔を振りまく。

 だが心の片隅では、昨夜の戦いの余韻が消えず、頭の中で警戒の鐘が鳴り続けていた。



 その時、フロアの奥から、咲が近づいてきた。

「Prince TAI……今日も元気ね」

 雨で濡れた髪が光を反射し、微笑む彼女の姿に、太子の心は少し和む。


「そなたの笑顔を見ると、俺も頑張ろうと思える」

 Prince TAIは軽く手を振り、席を案内した。

 彼のプロフェッショナルな雰囲気は、ホストとしても、転生者としても完璧だった。



 しかし、店のドアが開き、黒いスーツに身を包んだ新たな男が入ってきた瞬間、空気が変わった。

 客たちもざわつき、警戒の目を向ける。


「……Prince TAI、久しぶりだな」

 その低い声。

 背筋に冷たいものが走る。

 千年前の戦いを知るかのような、陰の匂いを漂わせていた。


 Prince TAIは微笑むが、瞳は鋭く光る。

「……ようこそ。今夜はどんな夜を過ごされたい?」


 しかし、その背後で、フロアの影が不穏に揺れた――

 新たな敵、そして新たな試練が、すぐそこまで迫っていた。



 麗がPrince TAIの横で小さくため息をつく。

「……また、面倒な夜になりそうね」

 咲は少し心配そうに彼を見上げる。

 だが、二人の信頼がある限り、Prince TAIはひとりではなかった。


 夜の街に、再び王子の光が射す――

 そして、新たな物語の幕が上がった。


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