如月兄妹の一日
響【ひびき】:如月兄妹長男の高校三年生十七歳。生徒会とアーチェリー部所属。女子生徒にモテるなぜか男子生徒に告白されることが多い
奏【かな】:如月兄妹長女の高校三年生。家庭科同好会所属。しっかり者。タイプではない男にストーカーされる
弦【げん】:如月兄妹次男の高校二年生十六歳。演劇部所属。兄に振られて男子生徒の慰め役になりがち
美弦【みつる】:如月兄妹次女の高校二年生十六歳。オカルト研究部所属。姉のストーカーに対して攻撃的
潮音【しおん】:如月兄妹三女の高校一年生十五歳。高校に入学したばかりでほわほわする癒し。モテるが鈍感だから気付かない
潮音【しおん】:……目が覚めちゃった。今は……6時半。ちょうどいいか。学校があるしそろそろ起きなきゃ
0:着替えなどを済ませてダイニングへ向かう
奏【かな】:潮音ちゃん、おはよう
潮音【しおん】:おはよう奏姉、いい匂いがする
奏【かな】:朝ごはんできてるから、響を呼んできてくれる?
潮音【しおん】:え?弦兄【げんにい】と美弦姉【みつるねえ】は?
奏【かな】:2人なら、先に起きてて並べるのを手伝ってくれてるの。だから今、来てないのは響だけ
潮音【しおん】:そういうことなら。わかった、響兄の所へ行ってくるね
0:響の部屋に着いて、扉をノックしてから入る
潮音【しおん】:響兄、おはよう
響【ひびき】:お!潮音ちゃんおはよう。もう朝ごはんはできたのかい?
潮音【しおん】:うん!だから奏姉に頼まれてきたんだ。響兄を呼んできてって
響【ひびき】:なるほどな。それじゃあ、行きますか
0:潮音と響、ダイニングに着く
潮音【しおん】:ねぇねたち、おまたせ。それと弦兄、美弦姉、おはよう
弦【げん】:おー!おはよう潮音。俺らもちょうど並べ終わったところだから平気だ
美弦【みつる】:おはよう潮音ちゃん。うん、タイミングバッチリだったよ
奏【かな】:さあ、全員揃ったことだしそろそろ食べましょう
0:全員席につく
全員:いただきます
奏【かな】:そういえば、潮音ちゃんは高校生活に慣れたかしら?
潮音【しおん】:まだ入学して数日しか経ってないよ。まぁ、だいぶ慣れたけど
奏【かな】:それは良かったわ
響【ひびき】:なんだかんだ言って、潮音ちゃんも高校生か。時間が過ぎるのは早いな。
響【ひびき】:あんなに小さかった潮音がこんなに大きくなって……
潮音【しおん】:感動に浸っているところ悪いんだけど、響兄。今7時15分だけど、時間大丈夫?
響【ひびき】:へ?……やべぇ!生徒会の準備があるから早いんだった!
奏【かな】:もう、今日は生徒会があるからみんなで早く起きて朝ごはんを食べるって言ったのは響でしょ?
奏【かな】:準備できてるとはいえ、時間を忘れちゃダメだよ
響【ひびき】:それは悪かったって。(もぐもぐ慌てて食べる)とりあえず、ご馳走様!そういや、弦は部活は平気なのか?
弦【げん】:今日は朝練がないから、平気だ。それに昨日終わらなかった多少の準備は、先輩方がやるらしいし
美弦【みつる】:弦もそうなのね。実は私も準備は先輩方がやるって言われたわ
奏【かな】:私は昨日の時点で終わらせたから平気。ところで響、こんなところで話してて時間を忘れてないかしら?
響【ひびき】:……忘れてた!
0:ドタバタと準備をする響。準備を終えて慌てて出かける
響【ひびき】:行ってきます!
4人:行ってらっしゃい
奏【かな】:はぁ、響はそういうところがあるから心配だわ
潮音【しおん】:そういえば、今日の午後の授業で部活動紹介があるんだったよね?こんなに早く準備するんだ
奏【かな】:部活動紹介だけじゃなくて、委員会の場所や予算とかを確認しないといけないから早いのよ
潮音【しおん】:なるほど
弦【げん】:ところで、潮音はどこの部活、委員会に入るか決めたのか?
潮音【しおん】:ううん、部活は部活動紹介を見てから決めようと思っている。でも、委員会は図書委員に決めている。
潮音【しおん】:まぁ、他に候補する人がいなかったらだけど
美弦【みつる】:潮音ちゃんは優しいからね。他に候補者がいたら、譲るんでしょ?
潮音【しおん】:うっ……。だって、他に候補者がいたら、譲りたくなるんだもん
奏【かな】:潮音。言いたいことは分かるけど、自分の意見ははっきり言わないとダメだよ
潮音【しおん】:わかったよ。奏姉
0:全員食事を終える
4人:ご馳走さまでした
奏【かな】:いつものように食器を台所に置いていってね。それと、忘れ物はしないようにね
潮音【しおん】:はーい。あ、そういえば響兄。弁当箱忘れてない?ほら、響兄の弁当箱がある
奏【かな】:あら、本当だわ。はぁ……、まぁ同じクラスだから後で渡しておくわ。ほら、潮音。弁当箱よ。忘れずに入れてね
潮音【しおん】:わかったよ。奏姉
奏【かな】:2人も。弁当箱忘れないでね
弦【げん】:わかってるよ。姉さん
美弦【みつる】:ええわかってるわ。お姉ちゃん
0:それぞれ準備を終えて、玄関に集合していた
奏【かな】:3人とも、そろそろ登校する時間だよ
美弦と弦と潮音:はーい
潮音【しおん】:さあーて、今日も1日頑張りますか!
4人:行ってきます!!!
0:高校に着いた如月兄妹たちの教室
0:3年5組(響と奏のクラス)
女子生徒1(美弦【みつる】兼役):あ、奏ちゃん。おはよう
奏【かな】:うん、おはよう。響はもう教室にいる?
女子生徒1:響くんなら、もう自分の席について男子と話してるよ
奏【かな】:わかったわ。ありがとう
0:奏、響の席へ向かう
男子生徒1(弦【げん】兼役):それでさー。あ、奏。おはよう
奏【かな】:おはよう
男子生徒1:それじゃあ、また後な
響【ひびき】:ああ、また後で。で、なんか用か?
奏【かな】:響、また弁当箱忘れたでしょ?潮音ちゃんが気づいてくれたからよかったけど、忘れ物しないでっていつも言ってるでしょ?
響【ひびき】:まじか!?すっかり忘れてたぜ。後で潮音にお礼を言わねぇとな
0:2年4組(弦と美弦のクラス)
女子生徒2(潮音【しおん】兼役):美弦さん、おはよう
美弦【みつる】:おはよう、ところで今日の授業はどんな感じだったっけ?
女子生徒2:えーと確か、午後の授業は完全自習で、午前の授業はプリントをやるって言ってたよ
美弦【みつる】:あー、そうだったわね。ありがとう
0:美弦、自分の席に座って弦に話しかける
美弦【みつる】:弦ちゃん。今日の授業はプリントがメインらしいよ
弦【げん】:まじか、今日は結構眠たくなるな
美弦【みつる】:確かにね、でも起きてないと怒られるから起きてないとね
0:1年2組(潮音のクラス)
女子生徒3(奏【かな】兼役):あ、如月さん。おはよう
潮音【しおん】:あ、おはよう
女子生徒3:あのね。今日の課題終わってる?私終わってないからさ。良かったら見せて欲しいんだけどいいかな?
潮音【しおん】:うん、いいよ
女子生徒3:ありがとう!授業が始まるまでには返すよ!
潮音【しおん】:さて、今日は何を読もうかな?『鍵の勇者の夢物語』もいいけど……。『素敵なハーブティー喫茶』にしようっと
0:午前の授業と昼休みを終えて、午後の部活動紹介
女子生徒4(奏【かな】兼役):いよいよ部活動紹介だね。
潮音【しおん】:そうだね
女子生徒4:如月さんはどこの部活に入るか決めた?
潮音【しおん】:ううん、だからこの部活動紹介で決めようと思う
女子生徒4:そうなんだ。私はアーチェリー部かな。憧れの先輩がいる部活だからね
潮音【しおん】:そうなんだね。櫻居【さくらい】さんはどこに入るか決めた?
櫻居【さくらい】(美弦【みつる】兼役):私は、コンピューター部。なんか心惹かれた
潮音【しおん】:なるほど、心惹かれて選ぶっていうのはいいわね
男子生徒2(弦【げん】兼役):お前はどこに入るか決めたか?ちなみに俺は、サッカー部
男子生徒3(響【ひびき】兼役):俺は野球部かな
0:ざわざわと部活に関する話をしている
響【ひびき】:静かにしてください
0:響の一言で静かになる
響【ひびき】:只今より、部活動紹介を始めようと思います。まずは1年生の皆さん、学校生活はもう慣れましたか?
潮音【しおん】:響兄、真剣に言ってる。普段の響兄とは大違い(全文小声)
櫻居【さくらい】:如月さん、あの人知ってるの?(小声)
潮音【しおん】:うん、私のお兄ちゃんなの(小声)
櫻居【さくらい】:えー-------!
潮音【しおん】:しっ!声が大きいよ(小声)
櫻居【さくらい】:あ、ごめん。でも、なんだかかっこいい人だね(小声)
潮音【しおん】:そうかな?まぁ、自慢のお兄ちゃんなんだ(小声)
女子生徒4:えー、羨ましい。アーチェリー大会で1位だったもんね
潮音【しおん】:なんか、詳しいね
女子生徒4:だって私、響さんのファンだもん。響さんがこの学校にいるって知って追いかけてきたんだ
潮音【しおん】:そうなんだ。響兄、もしかしてモテてる?(小声)
0:司会進行を終えた響は、ふと聞こえた潮音たちの会話に心を躍らせていた
響【ひびき】:潮音ちゃん、奏が一緒に帰ろうって言ってたよ。で、新作のクッキー食べてほしいんだって
潮音【しおん】:わかったよ。響兄の分も残しておくね
響【ひびき】:さすが潮音ちゃん、分かってるじゃねえか
女子生徒4:え!?響先輩!?きゃああああああああ!!(バタッ)
響【ひびき】:え!?なんで倒れた?緊張したのかな?ごめん
潮音【しおん】:響兄……、また殺したの?
響【ひびき】:そんなわけあるか!ってか、日常会話でゲーム脳を発揮するな!
0:部活動紹介を終えて、LHRを終え、別館へ続く廊下で友人と別れる
櫻居【さくらい】(美弦【みつる】兼役):じゃあ、私はコンピューター室に行くからまた明日ね
潮音【しおん】:うん、また明日!
0:とある部活の見学のために、ある場所へ向かっていると、響の姿を見かける
潮音【しおん】:あれって、響兄?何してるんだろう?
男子生徒4(弦【げん】兼役):響さん、好きです!付き合ってください!
響【ひびき】:えっと、君は……男の子だよね?
男子生徒4:響さんなら、男でも受け入れてくれますよね?
響【ひびき】:えっと……、ごめん。僕は女の子が好きなんだー-------!(大声)
0:逃げるように走ってる響に声をかける潮音
潮音【しおん】:響兄!
響【ひびき】:え!?潮音!?もしかして見てた?
潮音【しおん】:うん、見てた。最初から最後まで
響【ひびき】:えー--------!絶対奏には言うなよ?
潮音【しおん】:それはいいけど、すぐにバレそう
奏【かな】:あ、響!潮音!潮音は部活決まった?
潮音【しおん】:うん!一応ダンス部
奏【かな】:いいじゃない?健康的だし、スタイルアップにもいいわね。で、なんで響は固まってるの?
響【ひびき】:いや、えっと……今日はいい天気だね
奏【かな】:いや、ちょっと曇ってるよ。響大丈夫?顔が真っ青だけど
響【ひびき】:いや、そんなことよりさ、そのクッキー美味しそうだね
奏【かな】:……潮音、何があったの?
潮音【しおん】:へ?……じー---
響【ひびき】:しー!しー!(小声)。そのクッキー、食べてもいいか?
奏【かな】:食べてもいいけど……何があったか白状しなさいよ。さっき男の子が、泣いて去って行ったわよ?響、いじめたの?
響【ひびき】:いや、まぁ色々あっていじめては無い
奏【かな】:ては無いってどういうこと?泣いてたわよ。ちゃんと理由を言いなさいよ
響【ひびき】:いや、それが……あいつから借りた本をボロボロにしちゃって、今度弁償しなきゃなってさ。本当のこと言えないよな(小声)
奏【かな】:そいうことにしといてあげる。響がそういうんだったら、何か深い事情があるだろうから
響【ひびき】:ああ、その解釈非常に助かる
奏【かな】:じゃあ私は、クッキーまた焼いて見学の子たちに配ったりするから、潮音ちゃん。いい感じの部活だといいわね
潮音【しおん】:そうだね
奏【かな】:響は、怪我とかするんじゃないわよ。はりきりすぎると怪我するから
響【ひびき】:まぁ、注意しとく。この間後輩に撃たれそうになったから
奏【かな】:あはははははは、鳥でもあるまいし、撃たれるって相当後輩に恨まれてるの?
潮音【しおん】:響兄、大丈夫?
響【ひびき】:これでも後輩に慕われてるんだぞ。大丈夫。うん、大丈夫……多分
奏【かな】:まぁ、アーチェリーって最初は難しいって聞くから気を付けるのよ。
奏【かな】:潮音ちゃんも、ダンス部に入るんだったら、足をくじかないように気を付けるのよ。
奏【かな】:運動部には、怪我が付き物だから2人とも、気を付けてね
潮音【しおん】:わかったよ。奏姉
響【ひびき】:3年やってるから大丈夫だよ
奏【かな】:今日お弁当箱わすれたのに?
響【ひびき】:あっ
潮音【しおん】:大丈夫!響兄がわすれたら、私が届けるよ!
0:奏がクッキーを見学の人たちに渡し終えた後で、弦と美弦が合流する
弦【げん】:またか、兄さん。今日も一人、罪なき男子を落としたね?
響【ひびき】:いや、今日もまたってなんだよ!
美弦【みつる】:またお姉ちゃんのストーカーが現れたら……その時は……ね?
響【ひびき】:洒落にならないな!おい!
弦【げん】:美弦が言うと、洒落になりませんよ
響【ひびき】:それって地獄……何でもない。
奏【かな】:みんな揃ったことだし、帰りましょう?
4人:はーい!
0:ガチャっと音が鳴り、扉が開かれる
全員:ただいま!
奏【かな】:さあ、手を洗い終わったら宿題をしなさいよ
4人:はーい!
0:全員、宿題と夜食を終え、それぞれ過ごしていると、響が4人を呼んでトランプを取り出した
響【ひびき】:全員集合!今日は、大富豪しようぜ!負けたやつが罰ゲームとして、一位の人の言うことを聞くでどうだ?
弦【げん】:お!乗った!前回も俺が1位だったからな、今回も負けないぜ
美弦【みつる】:私も、絶対に負けないんだから
潮音【しおん】:私だって負けないよ!絶対に響兄を最下位にさせる
響【ひびき】:潮音ちゃん!?なんで僕を集中攻撃宣言してるの!?
奏【かな】:珍しいわね。潮音ちゃんがやる気なんて。まあ、私も負けないけど
美弦【みつる】:確かに珍しいけど、ギャンブルは狂ってるほど楽しい!!
響【ひびき】:いや、ギャンブルじゃねえから。ってかどっかで聞いたことあるようなセリフだな!
弦【げん】:まあ、いいんじゃないかな?俺は兄さんの味方だからね
響【ひびき】:弦ちゃん…!
奏【かな】:はいはい。それじゃあ、始めましょうか
0:トランプが配られ、大富豪が始まった
響【ひびき】:よーし、あと少しで僕は大富豪だ
弦【げん】:悪いね、兄さん。俺はここで革命を起こす
響【ひびき】:な!?なんだと、このタイミングでかよ!
0:大富豪を終え、結果は……
潮音【しおん】:あ、私1位だ
奏【かな】:凄いわね!最後に1位になりそうだった響より先に1位になるって凄いよ!
美弦【みつる】:そういうお姉ちゃんは、2位じゃない。凄いことよ
弦【げん】:そうだな、結果的に俺が3位で、美弦が4位、最下位は兄さんだな
響【ひびき】:まじか、このまま逃げ切ると思ったのに……
奏【かな】:で、潮音ちゃんは罰ゲームは決めたの?
潮音【しおん】:うん、もう決めてあるよ
潮音【しおん】:それは……『30分間語尾にゃん』!
響【ひびき】:……へ?
潮音【しおん】:だから、30分間語尾にゃん。あと今からだからね。はい、スタート!
響【ひびき】:まじかにゃーん!とりあえず頑張るにゃん!
0:30分後
響【ひびき】:はぁ……はぁ……
潮音【しおん】:響兄、お疲れ様
奏【かな】:響の語尾にゃんは面白かったけど、明日も学校があるし、そろそろ寝ましょうか
美弦【みつる】:そうね。明日の準備もあるしね
弦【げん】:俺も朝練があるから、ちょうどいいな
響【ひびき】:はぁ……。そうだな、すごい疲れたし
0:寝る準備を終えた兄妹たちは、それぞれの部屋の扉前に立って寝る挨拶をする
全員:おやすみなさーい