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魔女の住処

四日ぶり再開です

遊びに来て頂きありがとうございます

「急すぎるのよ本当に!!」


 前を行くセルリルに向かい声を上げつつ、森の中を歩いている最中である。家を出てずっと愚痴を吐いている私を完全に無視を通しているが、言わずにはいられない。

 と言うもの、例の件で街まで行ったと思えばすぐさま一日半も経たずに帰宅。すると異様なまでに緊張感を帯びた空気を漂わせ、戻って来ての一斉が、『協力の仰いだ件で出るから準備しろ』と言い放ち、半日も立たないうちに出発したのだ。


(頼んでるのはセルリルお前だぞ!!)


 しかも大した説明等もないまま、先日歩いた道を再び歩く。またフムレ村に行くのかと思いきや、その近くの森の中へと入って行った。セルリルは来た事があるので、足取りが確かではあるが、私はただただ振り回されているだけ。前回の疲れも多少残っているせいもあり、進める足が気持ち重い。


(ったく。こっちだって小言言いたくなるわ!!)


 まあ言った所でどうこうしてくれる彼でもないのは、重々承知はしているが足掻きたくもなる。全く持って道理は通したものの、生半可に承諾したツケが大きい。脳裏には後悔という巨大化した文字が頭に浮かぶ。それにしても今日はずっと歩きっぱなしである。日も沈みかけているようで、大気の気温が下がってきた。勿論回りは木々が茂り、足下に光は届かない。私のような土地勘のない人間。ましてや疲労の残った足では、かなり堪えセルリルとの間隔も徐々に開いて来た。そんな矢先、薄暗い木々の間から、淡いオレンジ色の光が浮き上がるように、目の前に現れ始めたのだ。

 すると、私達の前に黒の三角帽子を深く被り、下に引きずる長さはあるバーヌースを着た、腰の曲がった人物が現れた。そして彼と後ろの私をマジマジ帽子越しから見る。寸刻の沈黙の後、どうぞと掠れた声で言い、目先の人物について行く事暫し。目の前に蔦のような丸いアーチ、その一番上に大きなランタンを灯した門が視界に入った。その奥には木の幹に作られたツリーハウスが何個も乱立して現れる。

 今までと違う雰囲気に思わず目が奪われる中、セルリルは蔦の門を身を屈め潜り抜けると、頭上のランタンが色濃く光る。それを見ていた私を、連れてきた人物が口を開いた。


「ここ最近色々な事がありましてね。招き入れる人間を制限しているのです。この門も目の前の住人が同伴しなければ辿りつけぬようにはなってはいますが、念には念という事で集落に訪れる際ここを通過してもらっております。もしここと通る事なく足を踏み入れればこの空間から強制的に他の場所に転移してもらっているのです。ですのでぞうぞここを通りぬけてくだい」

「は、はい」


 そう言われ慌てて、彼同様ゲートを抜けた。すると先に通り抜けたセルリルの周りに同じ格好をした者達が集まり彼を囲み、口々に感謝の言葉をかけていたのだ。事情が読みとれず、その情景を見守る私を案内人の人物が軽く私の腰を押し、その輪の中に促す。そしてバーヌースの下から取り出した呼び鈴を一回鳴らすとその音が周りに響く。

 すると、円を描いた人々の輪が彼の前で割れ、奥から私より少し身長の高い人物がこちらに来ると、セルリルの前で止まり帽子をとった。額を出し綺麗に一つにまとめた黒髪で、顔のパーツはどことなく日本人の顔立ちに似た女性が、笑みを称えつつ、深々と頭を下げた。


「セルリル様。先日は私を助けて頂きありがとうございました」

「あれからは」

「特にこれといっては。それよりもお疲れでしょう。とりあえずこちらへ」


 その言葉に従い、彼女の後について行くと、中央付近の一番規模の大きなツリーハウスに引き入れる。そこには真ん中にソファーセット一式と本棚が壁に沿って配置しており、入り口ドアの反対側にある窓には机が設置され、その上には薬草やすり鉢らしき物が置いてあった。そんな中、机には食事が並べられた状態で、既に屋内で待っていた人物が私達に向けて頭を下げた。


「こちらへ」


 暖かみのある光が照らす室内に用意された、湯気のあがる食事。その配置に合わせるように腰を下ろすと、目の前に彼女が座った。


「あの時は急を要するという事で、名もおざなりに告げたまま無礼を致しました。私はここの長をしておりますレミロザです。こちらは副長のサロマ。ここは魔女の集落で20代から80代の魔女が共同生活をしております」


 すると、やんわりと笑みを讃えた老嫗が私の方に視線を送ってきたのだ。その姿に慌てて頭を下げる。


「初めまして」

「香月様ですね」

「どうして私の名前を」

「先日の件で尽力して頂いたとタスラム様からお話を伺ったので」

「タスラムが?」

「はい。タスラム様とは以前から面識がありまして。先日の件もそうですが、今回の件もご連絡頂きました」

「そうなんですか」

「つきましては、前回のお礼も兼ねて、私共が微力ではありますが協力させて頂きたいと思っております」

「大変助かる」


 今まで黙って聞いていたセルリルが口を開くと身を乗りだし、話を続ける。



読んで頂き有難うございます

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頂ければ幸いです


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