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鉄槌!!

遊びに来て頂きありがとうございます

「さて可愛い顔してるが、どうしてくれよう」

「どうもこうもないね!! さっさとどいて!!」

「はっ? どくわけないだろ!!」


 すると、私の頭上から拳を振り落とす、それをかわすも、その拳は花を蹴散らし地面を抉る。


「逃がしたか。思っていたより素早いな」

「それ魔法?」

「魔法なんぞアテにはしねえんだ俺は。あくまでも肉体主義でな」


 そう言い、男は次々と拳を叩きつけていき、周りにはクレーターのような穴が無数に点在し始めた。


(さてどうする?)


 魔法ありきの人ならこちらに有利なのだが、今回の輩はその部類ではない。

 動きまわりながら思考する中、視界に彼等の背後にいた社長が逃げていく姿を捉えた。色々と考えている猶予などない。強く拳を握ると今度は男に向かっていく。いきなりの行動に男も一瞬身構え片足を引く。

 その時、自分であけた穴の一つに足を取られ体制が崩した。それを機にもう片方の輩の足を蹴り飛ばす。すると、男はその反動と、巨体で仰向けに勢いよく倒れ込んだのだ。再び地響きが響き渡り、すぐさま輩の背後に回り坂を一気にかけ上がり一目散で社長に走り寄る。

 彼は摘まれた蕾の袋をかかえ、逃げようとしていた。でっぶらとした体は足も遅く、すぐさま追いつく。


「このーー 止まれ!!」


 杖を高くあげ、オレンジ色の光を私に向けて浴びせる。しかし足が止まるわけがない。


「ど、どういうことだ!!」

「さあーー どういう事でしょうね」


 そう言いい彼の目の前に立つ、男は怯えた声を発しフルフルと震えている。そんな輩を睨みつけた。


「お前の私利私欲の為に他人の感情もてあそぶんじゃねーよ!!」


 啖呵を切ると同時に顔面に鉄拳をくらわす。すると男は杖を落としよろめき後ずらりをすると足がもつれ坂から転がり落ちていく。

 その勢い転がるたびに増していくと共に、こちらに向かっていた大男がいきなりの状況に避けきれず巻き込こまれ、クレーターだらけの地面まで転げ落ちる。

 私はすぐに手放された杖を広いあげ走り出し、小高い場所に立つ。

 その眼下にはタスラムの指示に従い、村民に怪我をおわせないよう応戦すうセルリルの姿をとらえる。


「セルリル!!」


 叫ぶと彼がこちらを向く。大きく杖をふり場所を確認させると杖を彼に向けて空に投げる。

 それに合わせセルリルは石の剣を数本形成すると、杖めがけて飛ばした。するとそれらが命中し、ガラスが割れた音と共に一瞬強い光を放った途端、今までセルリルに襲いかかっていた人々がバタバタと倒れ込んでいったのだ。

 その姿に大きく息を吐き、坂を下りると、タスラムが転がり下りてきた輩二人に液体をかけている。周りは白い煙が立ち、目が昨日同様霞むと共にせき込んでしまいそうな程の甘い匂いが漂う。そんな状況化の中、タスラムの足元にいる男等はピクリとも動かない。


「タスラム。あんたそれ何かけてるのよ。毒なの?」

「いやいや、そんなえげつない事はしないよ。ちょっと眠って貰うかなって思って。彼等の連れから拝借してきたんだよ。それよりも香月これ舐めてて」


 そう言いタスラムは目線を斜め後ろに一瞬向けると、男が一人うつ伏せで倒れ込んでいる事に気付くと同時に、彼からすぐさま袋を渡され、それを開けると琥珀色の球体が目に入る。


「これ何?」

「解毒剤みたいな物かな。とりあえず口に含んでおいてよ」


 軽く頷き、指示通り口に含むと同時にタスラムも液体を巻き終わり、私と彼は並びセルリルの方に歩いていく。


「香月頬の傷以外怪我ない? 申し訳なかった。本当は助けに入るつもりだったんだけど、手間取って。それにしても香月は武術心得ているの? あんな大男倒しちゃって」

「まあ、多少は…… でも今回は運も良かっただけだよ。なんせ男自身が作った穴に自身が嵌っちゃった感じだし」


 そんな中、眉間に皺を寄せたセルリルが近づいてきた。


「遅い。もっと早く処理出来ないのか。俺の負担も考えろ」

「まあまあ良いじゃん。とりあえず丸くおさまったし」


 そう言うとタスラムが頭上を指さした。それにつられ上を見上げると仄かに暖色を帯びた十六夜の月が真上にきていることを確認するとほぼ同じくして、辺りの花が一斉に咲き始めた。


「間に合ったみたい?」

「フン。当たり前だ。誰が受けたと思っている」

「はいはい。報酬はきっちり払わせてもらいますから」

「同然。いや今回は前もっての話もなく緊急対応の上仕事内容が内容だ。追加報酬を要求する」

「いやいやこっちも予算あるから」


 いつもの掛け合いを始める彼等を笑みを零し見つめる中、コバルトブルーの花が咲き乱れる窪地に風が吹き込み、花々を空へと舞い上がらせる。それは、一瞬して地上そして空さえも淡い青へと彩られていく。


「凄い……」


 空を見上げ思わず感嘆の声を上げる私に同調するように、二人も同じように空を仰ぎ、暫しその風景を見つめていた。

読んで頂き有難うございます

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頂ければ幸いです






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