男、追放
実質2話です
追放。
それは、害をなした者がパーティーリダーから受ける処罰。
理由は色々あれど、まずされることがない。
その重みを俺は肌で感じ取っていた。
「......そうか」
俺は諦めたように言う。
事実、追放されるのは自分のスペックをみれば分かる。だから反論の余地はない。
「......協会が命令を下したんだ」
「え?」
「俺たちは直にランク制度が適用される。それは知ってるな?」
俺はゆっくり頷く。
はやり病の影響で、魔獣が活性化しているため安全確保の面から、パーティーのランクを振り分け、それのランクに合った仕事を紹介する。
それがランク制度の内容だ。
「それにおいて、我々のランクは最底辺のG」
金髪の目が少し、笑みを帯びる。
それを流し、アランは続ける。
「その最たる原因は──」
「俺か」
俺はアランの声を遮り、答えを言う。
「ああ。そうだ」
アランは少し重い声で言う。
「お前は、何故か物体を切れない。そのせいで、かなりのクエストを失敗してきた。言い方が悪いが、お前がいなければ俺たちはEランクまで上がれるだろう」
それでも団栗の背比べだがな。
アランは毒を吐くように言う。
「その代わり、ボクが入ればSSSランクまで上げれる」
隣に座っていた男は自分の胸に手を当てて話す。
「そちらは?」
「へえ?ボクの名前知らないんだ?」
俺の問いに対して男は煽るように俺に言う。
知らないから聞いてるのだが。
そんな言葉を飲み込んで、俺は自己紹介を待つことにした。
「ボクはルウズ・ファー・プリズナー。あのプリズナー家の長男さ」
ルウズは誇らしそうに自己紹介をする。
プリズナー家。貴族13位の大御所じゃないか。その分、よくない噂があるがどうなんだろうか。
「良かったじゃないか。貴族が入ってくれるんなんて」
「ああ」
アランは重たい返事をして、俺を見る。
「話を戻す」
俺は出された水を一気に飲み干すと、アランと向き合う。
「お前は追放と同時に死んでもらわねばならない」
「え」
一瞬で時間が止まったように感じた。
いきなり風が吹いたかと思うと、俺はギルドハウスのドアに吹っ飛ばされる。
それを理解したころ、俺は外に投げ出されていた。
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