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一つの恋の⋯⋯混迷

 エドモンドは複数の影からの報告書を手に目を疑った。


 調査内容はリリアナの評判、自分とアリーシャ、ハワード、ハワードの婚約者でありリリアナの親友メリッサ、其れぞれの人となり。学園での関係性。噂。婚約破棄に至る経緯等色々な方向から調べさせた。


「これしきの事で婚約を破棄したと言うのか?」


 さらに読み進める、リリアナのクラスで遠巻きにしていた者達は最初は言いにくそうに躊躇しながらも当時あった事を話してくれたらしい。

 その頃はリリアナ嬢=悪のイメージが共通認識で人となりを知った者すらそうでは無いと言い出せない雰囲気であったと。


 矛先が自分に向けられると婚約者探しにも支障が出るとして親兄弟にも止められて罪の意識に苛まれた者が多数いたらしい。


 一部の過激な者達があちこちで有る事無い事面白可笑しく噂してリリアナ嬢は孤立を余儀なくされたと。


 親友のメリッサは途中で手のひらを返したように態度が変わったとされ最初は自分達と同じと思っていたが陰口を言っていたらしくあんなに仲がお宜しかったのに⋯⋯とある意味有名だったようだ。


 リリアナ様は毎日休まず登校されていたので相当お辛い目に遭われていたのでしょうと。


 王太子殿下が庇おうとせず放置されているので皆調子に乗ったのではと言った者もいた。


 結果、婚約破棄になりリリアナには父親である侯爵から伝えられて泣き崩れたとある。


 その後、噂を煽った者や抗議した者の中心人物が大した手柄や成果も無いのに無理とされていた就職が決まったり良い縁談が纏まったりしていた。


 これは一個人が出来る事では無い、ある程度高位貴族の口利きがあったものとされている。


 得をした者は誰だ。自ずと炙り出されてきた敢えて避けてきた現実が。



 今日もまたエドモンドは侯爵邸にお見舞いにやって来た。


 メイドのアンらの献身的な介護のお蔭か傷も随分と癒えてきたようだ。


 手足の筋肉も衰えないように医師の指導の元、ストレッチをおこなっているようで女性三人ががりで汗だくでいつ回復してもいいようにしているらしい。

 特に次兄のサイモン様は時間の許す限り本の読み聞かせをおこなっているらしく環境としては王城より良いのかもしれない。


 リリアナの枕元に座りメイドのアンからその後の報告を受ける。


「殿下がいらした翌日にアリーシャ様が様子を見にいらっしゃいました」


「翌日?私から説明したのに。何か言っていたか?」


「えぇ、この金貨を握らせてアリーシャ様のスパイになれと」


「スパイ?」


「また高額報酬を頂けるそうですよ。殿下の事は把握しなければとか尤もらしく言われてましたけど病状を申し上げた時、にやっとされました」


「確かなのか?」


「えぇ、目覚めないと敢えて申し上げましたから。安心されたのではないでしょうか」


「……」


「後、自称親友のメリッサ様がお見舞いにいらしてアリーシャ様に伝言は無いかと聞かれました」


「彼女が?」


「金貨を握らせながら伝言の通達係を申し付られたと、此れからは自分を通してくれとの事でした」


「……」


「アリーシャ様が度々来るのも変ですからね、お二人は陰で繋がっていらしたのでしょう」


「……」


「それからリリアナ様の日記の有無と遺書は無かったのかと聞かれました」


「それで?」


「その様な習慣はございませんでしたと言って、遺書に関してはご家族に別れの挨拶をされた紙切れをお持ちだったと伝えましたら安心されたようで帰って行かれました」


「彼女もグルだったのか」


「頻繁に来られるそうです、どなたの親友としてでしょうかね。監視しになんて」


「⋯⋯ありがとう、また何かあったら報告頼む」


「はい。これも大切なお嬢様の無念を晴らす為ですから」


 エドモンドはリリアナの苦悩を思い瘦せこけた彼女の頬に手をやった。


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