一つの恋の⋯⋯慟哭
ひとしきり泣いた、心も体も傷だらけで眠り続けるリリアナの為に。
手紙を持つ手がブルブル震える。
手紙に残された涙の跡に自分を重ねて彼女との思い出をどうか返してくれと願った。
滲んだインクの跡が心の痛みを増幅した。
自分がしでかした事が彼女の人生を此処まで変えてしまったのだ。
軽く考えていた、自分は道を誤ったのだ。
他に道があったに違いない、なのに彼女を軽んじてしまった。
傷付き絶望してそれでもすべてを許して逝こうとしたリリアナの姿が目に焼き付いて離れない。
メイドのアンの言葉が頭を巡る。
だからこそ今度は間違えない。
「目を覚ましてくれ、どうか、どうか。何も悪くない彼女に罪を背負わせないでください」
今迄信じていなかった神に向かって必死に祈る。
「大事な人なのです、笑顔を見たいのです。罰ならば私が受けますから……」
気持ちを落ち着かせて私は行かねばならない所があった。
父王と王妃である母の元に。
今分かっている私の罪を全て話す。
リリアナに対してとんでもない誤解をしている者が今尚多く居るだろう。
どうしてもリリアナの名誉を回復してやらなければならない。
そうなると婚約破棄の前提が崩れるかもしれない……いや崩れるだろう。
何か知りたくない事実が出てくるかもしれない、其れでも今しかない。
覚悟を決めるのだ。
学園で何があったのか、関係者を使って調べる訳にはいかないから父王が持つ影を貸してもらう為に。
空白を埋めるのだ、罪は必ず其処にある。
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