一つの恋の⋯⋯終焉
皆様ようこそ。
人生で初めて書いた小説です。
思い入れの強い一番のお気に入りです!(^_-)-☆
それと短編「隣国より嫁いで半年、そろそろお時間です!」が日間異世界恋愛部門で1位を頂きました。(2021.4.25)
みなさんのおかげです!ありがとうございました。
指が小刻みに震える。
熱を無くし強張った指先を何とか擦り合わせて、分厚くなった手紙と大事にしていた髪飾りを一纏めにして胸の前で強く握り締める。
神に何度も祈った。
思い付く限りの手も打った。
人に頭を下げる事など思いもしなかったが生まれて初めて経験もした。
それ程までに大事にして壊したくなど無かったのに。
悪意は徐々に伝播してこの身を焦がした。
この苦しみは逃れる事の出来ない事だったのか、今となっては分からない。
いつの間にか外堀を埋められてジリジリと追い詰められた。
言葉にしても相手は聞く耳を持たない。
善悪のラインがはっきりと出来ていて私が踏み越える事を許されなかった。
気がつくと一人になっていた。
だから手紙を書いてしまった、他に手段が無かったから。
文字が震えて何度もインクを付け直し私らしくも無い長々としたものになる。
罪を認めてのものでは無い、心の中にある想いを綴った最期のラブレター。
何故か思いの丈を綴る内に自分の中で恨みや憎む気持ちがスッと霧散していった。
昔の小さな幸せが頭をよぎる。
だから迷ったがラブレターは持って行く事にする、しっかりとこの胸に抱えて。
思い出は誰にも壊せない、時を戻る事は出来ないのだから。
今の私に出来る事はそんなに多くない、ならば祈ろう。
私との日々を忘れたあの人が幸せであります様に。
これからもずっと私を忘れてしまいます様に。
二人でよく眺めた城下を見下ろす王城のバルコニーの手摺りに立つ。
身勝手な自己満足だと我ながら思う。
またワルツが聴こえる。
西日がやけに眩しくて最期に少し笑えた、悲劇のヒロインみたいと。
王城の大広間では華やかなダンスの花が咲き乱れていた。
誰もが笑顔で音楽に合わせてクルクルと回る。
色とりどりの鮮やかなドレスの裾が花弁の如くふわりと開く。
先程告げられた王太子殿下の新たな婚約。
そこに居合わせた誰もが祝福して宴は最高潮だった。
誰もが思いもしなかった。
この晴れやかなパーティが今、其処に居るべき令嬢の沢山の涙の上に築かれた砂上の楼閣であった事に。
誰もが思いもしなかった。
この華やかな舞台が今、新たな始まりであった事に。
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