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序章1 『ゲノムの魔人』
世界の約半分を占めるエントラ大陸。
200年前、エントラにある1つの大国に『それ』らは生まれた。
鬼のような角。
竜のような尻尾。
悪魔のような翼。
人間のような皮膚。
そして、特有の白髪に白眼。
人の形でありながら、決して人とは呼べないその風貌は、それだけで畏怖の象徴といえる。
それらは魔法学史にない特異な力を使い、後に9つの"異端"の名を冠することで世界に認知される。
その圧倒的な力で、9つの異端は大国に史上最悪の大災害をもたらし、周囲の国々を焼き払い、やがて最北の島『ゲノム』に落ち着く。
それを終えるのにかかった時間は、一月にも満たなかった。
それから今日まで、それらは国を作り上げてきた。
たったの9人から200年かけ、今や全世界の脅威となり得る『魔境』へと成り上がったのである。
ゲノムの異端者たちは『魔人』と呼ばれ、全世界共通の、人類の敵として今も恐れられている――――――。