8.俺の部屋
……そうだ。
「なぁ、蓮燔。」
「ん、何だ?何かあったか?」
「……部屋。俺の部屋……見てない。」
「ああ、そうか。俺……場所言ってなかったのか。ごめん。あの扉の奥がお前の部屋だ。2つの部屋を使ってあって、私室の奥のもう1つの扉をくぐれば寝室だ。ま……入ってみるか?」
「じゃあ……あの部屋がお前の?」
「いや、俺の部屋はもう1つ隣の扉。」
じゃあ……あの部屋は?
「まぁ、先にお前の部屋を見ようぜ。何だかんだ言って、俺もお前の部屋に入るのは数年振りだし、今のお前は1人よりも俺が居た方が良いか……?」
「……そうだな。色々分からん物もあるし、説明してもらいたいからな。」
「じゃ、じゃあ入ろうぜ!」
露骨に喜びやがったなこいつ。何が楽しいんだ?
蓮燔が扉を開けば勉強机と椅子。後は大量の本と本棚だけの部屋だった。
……俺、もうちょっと遊びがあっても良いんじゃなかったのか?
「……凄いな。これ、全部俺の?」
「ああ。まぁ、入りきらなくて隣にあった扉の先にある本も全部お前のだ。」
え。
「……悪い、俺だけ2部屋も……。」
「気にすんな。俺も時々使わせてもらってる。」