転生…………?(軽い)
『こんばんは。あなたはお亡くなりになりました』
「は、え? マジ? ちょ、困るんすけど。朝っぱらから何? 不法侵入して勝手に死んでるとか言って」
『正確には亡くなったと言いました』
「知らんわ! こっちゃ仕事行かなきゃなんだよ!」
『亡くなってるので、仕事の必要はありません。それより私の頭の光輪が見えませんか?』
「うわぁ…………マジか、マジですか、マジなのか…………。父さん母さんにお礼の一つだってしてねぇ。田中にゲーム返してないし、まだ童貞だし、それに、」
『感傷に浸りかけているとこアレですが続き良いですかね』
「……しばらく、そっとしといて」
『せっかくお亡くなりになったので、』
「ふおおおいっ! あんた人の気持ちとか命何だと思ってんの!?」
『ちょっと何言ってるかわからないです』
「何でわかんないんだよ! もう消えろや!」
『そうですか。残念です。転生についてのお話がしたかったのですが』
「ちょい待ち。え、転生てあれ? なんかチートとかして人気者になってぬくぬくするやつ?」
『あなたが望むのならば。では、まず生まれですが』
「これ、自我引き継がれんの?」
『望まれるのならば』
「じゃ、残してください。えと……なら男ですね。こう、男らしいガッチリして薄毛とは無縁な遺伝の家の、服はまあ拘らないとして住居と食べ物はちゃんと有ると嬉しい。家の相続面倒だし次男かなぁ。でも童貞つらいから見合いでもなんでも結婚には困りたくない」
『ふむふむ。生まれ以上の要求来ましたね。では、次はお決まりの能力ですが』
「これはもう決まっている。空を飛びたい」
『なるほど、飛行能力と。では種族と世界観ですね』
「せっかくだから人に近い人じゃない種族で。治安が良くて、新しい言語覚えるのは面倒だしまわりのやつ日本語喋っていたら助かる」
『ワガママですね……。しかし……一応は該当するものがありましたね。では、もう目を閉じてください』
★
「うほっ(え、何? 檻、これ、うそん!)」
「ママ、みて、ゴリラさんおっきいの」
「うほほほん(嘘じゃああああ!)」
「ママ、ゴリラさんおそらとんでるよ!」