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第一話 失意と決意

 



「よっ!リオン!今日も一杯稼げたなぁ!」


 倒した魔物の処理をしていると、パーティ仲間のレオが声をかけてきた。

 高価そうな鎧に身を包み、その右手には【聖剣】と呼ばれる選ばれし者にしか扱えないものが握られていた。


「…ああ。そうだな」


 レオは選ばれた者だった。

 天職も【勇者】と呼ばれる逸材。

 普通、天職につくと、その職業に関するスキルしか覚えれなくなるが【勇者】は違う。


【勇者】は全てのスキルを入手できるのだ。


「…?どうした暗い顔して」

「いや、なんでもないよ」


 ぼうっとしていたせいか、レオから心配そうに覗き込まれる。

 劣等感に襲われることは多かった。レオは昔からの友人だし、一緒に稽古や勉強を受けていた。一緒にやってきたからこそ【勇者】という天職をレオが手に入れてから、一気に取り残されていくのを感じて悔しかった。


 でもそれをレオのせいにするのはお門違いだ。

 レオだって好きで【勇者】になったわけじゃない。それに、完全に足手まといの俺を一緒のパーティに入れてくれて一緒に戦ってくれている。



「ごめん」


 気づくと自然に謝罪の言葉が口に出ていた。


 レオの才能に嫉妬している自分の卑屈さに。

 足を引っ張っている不甲斐ない自分に。


 そんな俺にレオンは、


「大丈夫だ。お前が謝ることなんてない」


 優しく微笑んでくれる。



 胸の奥がチクリとする。

 俺はいつからかレオを守る側から、守られる(・・・・)側へと変わっていた。


 それにどうしようもない焦燥感に駆られる。


「ごめん、ちょっと先に帰るわ」

「え?ちょ、おい!」


 そして、俺はレオの静止を無視して森を走り去った。





 ▽


 リオン・フィオネ Lv28

 職業:錬成士

 魔法:火魔法Lv4 回復魔法Lv3

 スキル:錬成術Lv8


「はぁ…ダメだなぁ…」


 リオンは森を走り抜け、その先にあるレインハルト王国のとある小さな宿の一室で自身のステータスを確認していた。


 リオン本人は「ダメだ」と言っているが、普通の錬成士からしたら『錬成術Lv8』は相当高い熟練度だ。


 熟練度とはそのスキルを使えば使うほど増えていくもの。Lv1から始まり上限はLv10。リオンは後2Lvあげれば錬成術を極めることが出来るのだ。


 だが、そんなことじゃリオンは納得しないだろう。


 あくまでも錬成術士は後衛職か鍛治職を任せられているもの。

 けれどリオンはレオと一緒に前衛で錬成術を駆使し、なんとか喰らいついている。


「もっと強くならないと…」


 今日は複数のグループに分かれて作業をきていたため会うことは無かった、リオンと同じレオのパーティにいる仲間たちを、リオンは思い浮かべていた。


【賢者】のリーナ。

【聖女】のセレス。

【騎士】のガレア。

【狩人】のルイン。


「早く追いつかないとな」


 リオンは悩んでいた顔から引き締まった顔になり、夜遅くなのに宿から出ていく。

 その際、受付嬢が不安そうな顔をしていたのをリオンは見なかったことにする。


 行き先は勿論、


「ダンジョン…」


 鍛錬するのにうってつけの場所、迷宮(ダンジョン)だ。





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