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逢瀬を待ち望む女

作者: 春風偲

文語調です

うろ覚えで書きました


 ――天河てんがの東に織女しょくじょ有り。

 年々機杼きちょもてえきつとめ、

 雲錦うんきんの天衣を織り成す。

 容貌ようぼう整うるにいとまあらず。

 天帝その独りるを憐れみ、

 河西の牽牛郎けんぎゅうろうとつぐを許す。

 嫁ぎし後、遂に織紝しょくじんを廃す。

 天帝怒り、責めて河東に帰らしめ、

 ただ一年に一度、相会あいかいせしむ――



七夕と呼ばれしその日に彼らは逢瀬すと云う

何でも仕事放棄せしが故に、共に暮らすこと天帝より禁じられたそうな

男も女も互いに想ひ、その日夢見て、日々過したり


前日、男、牛車を洗い待ち望む

乙女、逢ふこと叶え給へと乞う

かくして七夕を迎えたりける


当日

雫の落ちたりけるがなく、晴れたりければ良きことよ

河渡られるが故に

されど必ずしもそうにあらず

今朝の如く雨降るが日もあり

では今宵逢ふことあたわずなりや

否、水嵩多しときなれば何処からか鵲来たりて橋と成す

其通りて二人は逢瀬す



さて、之は吾の想ふところなのだが……何故人は嘆き悲しむ

一度しか逢えぬと憐れみをかける

其は其方の勝手であろう

人の尺度で測るでなし

吾らからすれば一年は長きことよ、其は認めむ

されど彼らからすれば其は長きか短きか

吾から想へば後者なり

星の一生は想像できぬほど長く、また果てしなし

その者から見て、一年は瞬き一つほどの時ではあるまいか

そう思へてならぬのじゃ

もし、当とうておるなら、ほれ

何を悲しむ必要がある


一年に一度

其に人は美しくも切なき、あわれを込め

当人は其を知らずに逢瀬したりけり

真が何か、吾にはわからぬ

たかが老い先短い老婆の戯言じゃ

聞き流して貰うて構わぬ

されど……見よ

天には男(牽牛)も女(織女)も鵲も光り輝いておる

たとえ雲隠れし、此方から見えずとも、二人は逢引していると想へば悲しくもないであろう


天帝が怒りの何時しか去り、二人相共に暮らせし日の来たらむことを祈りつつ、吾グラスを傾けたり

傍におらぬ愛しき君に想ひはせながら……

西日本は大雨の様子

皆様の方が災害に見舞われませんように……



誤字脱字や感想などありましたら教えていただけると幸いです

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