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第5話「近親相姦だけはやめろッ!近親相姦だけはッ!」

~あらすじ~

東軍への編入学を決める試験当日。

筆記試験では、予想外の妨害があったものの、問題なく突破。

体力テストでは、特異体質を利用して驚愕の記録を叩き出し、周りを圧倒した。

無事試験を終えた愛人は、精神的ダメージによる疲れを背に帰宅する。


「――――ただいま~」


玄関のドアを開け、リビングに向かうが……誰もいないな。あるのはグツグツと音を立ててる鍋ぐらいだろうか。時間的には、姉ちゃんが家には帰って来ているハズだが……まぁーいいや。

 

とにかく、汗を掻いてる訳じゃないが、運動した後は風呂に入りたくなる。なのでリビングを後にした俺は、風呂場へと向かう。

 

風呂場の扉近くまで来たところで、ドアの隙間から明かりが漏れている事に気づく。


(やっべ……風呂場の電気消し忘れてたっけか……)

 

気合を入れるという意味合いも込めて今日は、朝から風呂に入っていたので今の今に至るまでずっと電気を付けっぱなしにしていた事になる。電気代が勿体ねぇ……

 

若干鬱気味に風呂場に続くドアを開けようと手を掛けた時、力も込めてないにドアが開く。

 

あ、あれ? 俺もしかしてサイコキネシスとか使える様になったんじゃね……なんて、淡い希望はコンマ1秒で消え去った。


「――――ッ! ブフォッ!」


「……? ああ。もう帰って来てたんだねっ! お帰りなさ~い、愛人くん」


開かれた扉の先には、一糸纏わぬ姉ちゃんの姿が……腰まで届く長い栗色の髪は、しっとりとした質感のある状態で、風呂上りという事もあって姉ちゃんから漂うボディーソープの優しい香りが俺の鼻を通り抜ける。更に女性特有のフェロモンとでも言うのか……そんな女々しい香りも一緒であるから余計マズいっ!

 

ふっくらと膨らんだ豊満なお胸は、幸いと言うべきか長い髪が一部分を隠してくれているおかげでだいぶエロさが和らいだ。いや……余計エロく見えるな……薄ピンク色の輪郭がほんの少し見えているせいで丸見えよりエロいぞッ!

 

だが、これはまだ序の口。問題は下だぁッ!

 

きめ細やかなむっちりとした太もも、その間から見える秘境……って何を見てんだッ! 相手は実の姉なんだぞッ!?

 

お互いが顔を合わせてから数秒。俺は顔を真っ赤にして明後日の方向を向く。思わず冷静に分析しちまったじゃねぇか……だから美人は苦手なんだ。

 

姉ちゃんも最初は、何が? って感じだったが、今の自分の姿を理解すると頬を仄かに紅潮させながら右手は股を、左腕で両胸を隠す。

 

一瞬動揺を見せた姉ちゃんだが、直ぐに――ニヤぁ~っとした表情のまま左肘で俺の胸を数回どつく。


「あっれれぇ~? もしかしてお姉ちゃんの体見て興奮しちゃったのぉ~。まぁー愛人くんも男の子だしねぇ~」


弄ってやろう、という意思が丸わかりな顔でそんな事を言ってくる。てか姉ちゃんもさっきから顔が赤くなってるし、恥ずかしいんならさっさと行けよッ!


「ほれほれ、ほれほれぇ~」


 ―――ぷにぷにっ、プ二プ二っ。


「だぁぁぁぁっくそッ! 早く着替え―――――」


流石に姉ちゃんのふざけた行動に耐えなくなった俺は、姉ちゃんの腕を―――ガシっと掴み、そのまま風呂場から引きずりだそうとしたその時、玄関のドアが開いた……うちの風呂場は、玄関の先にある廊下の途中にあるので、ここから玄関まで丸見え、それはつまり……玄関からこっちも丸見えと言う訳で……


「………なにやってんだ? お前ら」


「…………」


「あっ! パパおかえりぃ~。で、早速なんだけど助けてぇっ~! 愛人くんが無理やり――――」


「オイっ! ちょっと待てっ! その言い方は語弊があるだろうがっ!」


ブラックコートを羽織ったスーツ姿の親父が玄関に立っていた。


コートと同じ色の短髪はオールバックにまとめられているが、三島の様にジェルで固めたとかではなく、癖毛の様で自然となっている感じだ。鋭い目は、傍から見れば怒こっているのか? と勘違いしそうだが、本人曰くこれが普通の表情なんだと。

 

顔に深い堀が入ってるせいで、ただでさえ怖い目がより一層協調されるから真顔で見つめられるだけで一般人なら硬直、睨まれようならお漏らしするレベルで恐ろしい。

 

それ故に公安0課では、隊長職であるにも関わらず『顔面凶器』というあだ名で良く弄られていた。

 

見た目は、あだ名が顔面凶器なだけあって恐ろしいが根は優しく、面白い人だ。まさに人は見かけに寄らない、という言葉が具現化したような人である。

 

そんな顔面凶器さんは、一糸まとわぬ姉の腕を掴む息子の姿を見て大きくため息なんかついて呆れてる。

 

確かに今の状況は、傍から見れば俺が強引に姉ちゃんの腕を引っぺがして胸を見ようとしている……状況に見えなくも無いが……


「……はぁ~。仲が宜しいのはいいが、あんまり度の過ぎた事はするなよ? 姉弟で節度を持ってだな………まさか、近親相姦とか近親相姦とか近親相姦とかしてないよなお前らッ!」


「―――ッんなことするかッ!」


 いきなり目をかっ開いたと思ったらそんな事を口走る。俺は親父の言う事を全否定するが……目の前にいる馬鹿姉は、その場で体をクネクネと捻じらせ、股を隠していた手を頬に当ててわざとらしく……


「そんな事言ってぇ~……ここ数カ月、ずっとお姉ちゃんと二人っきりで何度もお勉強したじゃない……この前なんて喫茶店で……キャっ!」


「―――――愛人ォォォォォぉぉッ! 緊急家族会議だぁあああああああっッ!」


「――――だからその言い方は語弊があるってんだよォぉぉッ!」


姉ちゃんの言動に親父は、顔を真っ青にしたが直ぐに気を取り直し、お隣さんにも聞こえるんじゃないかと思う程の大声でそんな事を言う。もうやだこの家族。 




 


「んで、今日はなんで帰って来たんだよ。来るなら連絡の一つくらい寄こせっての」

 

「お前は一々自分の家に帰ってくる時連絡すんのか? ええ?」


緊急家族会議で何とか姉ちゃんの発言による語弊を解く事が出来た俺は、食事を終えてソファーでゆったりとしながら缶ビールをゴクゴクと頬張る親父に問う。

 

親父は、数年で除隊した俺とは違い今もなお、公安0課で働いている。

 要人警護や情報収集。時には、凶悪犯罪者の確保など、危険な任務に身を投じている。

 

そんな仕事柄家に帰ってくる事はほとんど無いが、こうして何の前触れも無く帰ってくる事もある。

 

姉ちゃんも交え、クイズ番組を見ながら雑談に耽っていた。

 

そんな時、親父が何か思い出したのか、あっ! と小さく呟くと、持っていた缶ビールをテーブルに置く。


「そういや愛人、お前東軍に編入学するんだってな。体力テストの結果で職員室がざわめいてたって比奈の奴が言ってたぞ」


「……いやまぁ、使()()()んだし当然だろ。あ、それで怒んなよ? 筆記がヤバイ事になってるから仕方なくだなぁ……」


「そこに関して何か言うつもりはねぇよ。別に違反でもなんでも無いしな……ただ、使い過ぎには気を付けろよ。今度は、あんなものじゃ済まねぇんだからな」


イカゲソを摘まみながら能力の使い過ぎに気を付けろ、そう警告する親父。

 

体力テストで使ったようなものであれば、そこまで脳に負担は掛からない。むしろ負担が掛かるのは脳では無く筋肉だ。筋肉のダメージは回復するが、脳に関してはそうもいかない。

 

それも二回目ともなれば……今度こそ死の危険性だってあるんだからな。

 

だから、能力の行使は必要な時に、必要最低限の力を出す。今ではそのように心掛けてる。


「あ、そういえばさっき比奈ちゃんから体力テストの結果がメールで送られて来たんだった……」


親父の話で姉ちゃんも思い出したかのようにスマホを手に取る。

 

十六夜 比奈(いざよい ひな)。姉ちゃんと同じ歳で公安0課に所属する一人だ。

 

深淵の様な黒髪のショートカット。姉ちゃんと同等とは行かずとも、小さすぎず、大きすぎない小ぶりなお胸、キュッと引き締まったしたモデル体型にスラリと伸びる足、特に太ももは、大人のエロスがムンムン漂ってる。俺にとっては、第二の姉の様な存在だ。

 

0課の中では、諜報員として活動していて潜入任務や暗殺、破壊工作といったスパイ映画に出てくるような任務が主で、俺が0課に入隊した当初は良く比奈さんとの訓練でミッチリと締め上げられたものだ。

 

そんな比奈さんから届いたであろうメールを確認する姉ちゃんの顔は……引きつった笑顔を浮かべてる。

 

それを見た親父が立ちあがり、姉ちゃんの後ろからスマホの画面を覗き込むと……


「……ガぁ~ッハッハッ! そりゃ~職員の連中が大慌てする訳だ!」


 大きな口を開けて大笑いする親父、姉ちゃんは「あ、アハハ……わかってたケド……やっぱりすごいねぇ~」なんて言いながら引き笑いだよ。


「……ほっとけっ!」


茶化してくる二人を余所に、俺は自分の寝室へと戻る。

 

姉ちゃんの作戦。それは、筆記試験では、500点満点のテストで150点取り、体力テストで満点近く取る事だ。

 

合計150点と言う事は、一教科30点。赤点ギリギリの点数を取れれば良い。姉ちゃんの取ったピンポイント作戦は、狭い範囲の問題を確実に正解する為のもの。そのおかげで空白は多いものの、書いた部分は、ほぼ正解している……ハズ。

 

編入試験は、筆記試験で500点、体力テストで500点の1000満点、その半分である500点が合格ラインとなっている。

 三島が言っていた250点は取らなければ合格出来ない、と言っていたのは、あくまで()()()()()()()()()()のみ言える事だ。

 だから、姉ちゃんは、筆記で必要最低限の点数を確実に取らせ、筆記で取れなかった分の点数を体力テストで補う方法を取ったのだ。

 

寝室に戻る際にチラッと見た内容は、文句無しの評価ではあったが……これで落ちたら、あんなに時間割いて教えてくれた姉ちゃんに顔向け出来ねぇなぁ~。


そんなちょっとした不安を胸に俺は、意識を手放した。



握力

87・87=10点


立ち幅跳び

300㎝=10点


走り幅跳び

365㎝=10点


反復横跳び

81点 =10点


上体起こし(腹筋)

71回 =10点


長座体前屈

76cm =10点


垂直跳び

65㎝ =10点


ソフトボール投げ

85m以上=10点


ハンドボール投げ

75m  =10点


長距離持久走・1500m走・1000m走

4分50秒・3分30秒=10点


20mシャトルラン

160回以上=10点


短距離走・50m走

6秒   =10点

  

(追加項目)


総魔力値  =2点


魔力操作技術=5点

        <合計>

         140/127点 

 125点以上により、R(ランク):S評

面白いと思っていただければコメントやブクマ、評価のほうお願いします! 財布の中に500円しか入って無いと思っていたら、実は600円入ってた並みに喜びます。

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