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蒼竜と少年  作者: しまねこ


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昼食と遅れてくる参加者達の事

「おはようございます! でも、もう昼近いですよ」

 食事を終えて書斎へやって来たロベリオに気付いたレイが、読んでいた本から顔を上げて満面の笑みで振り返る。

「おはよう。だって昨夜はユージンと二人で部屋に戻った後も、魔法理論の本で討論会状態だったもんだからさ。ちなみに俺が寝落ちした後も、夜明け前までずっと本を読んでいたユージンは、まだ夢の中だよ」

 肩をすくめたロベリオの言葉に、マーク達は驚いたように目を見開き、タドラは、やっぱりねと呟いて笑っていた。

「あはは、お二人も本読みの会を楽しんでくれているんだね」

 無邪気なレイの感想に、ロベリオは笑って何度も頷いていたのだった。



「はあ、なかなかに面白い本だったや。じゃあ次は……僕はのんびりとこれを読ませてもらおうかな」

 読み終えた光の精霊魔法に関する論文を集めた本を戻しの木箱に入れたレイは、ため息を一つ吐いて立ち上がり、精霊魔法に関する本が並んだ一角に向かった。

 少し考えて、以前読み掛けていたインフィニタスの魔法理論に関する分厚い本を手にしたレイの言葉に、読んでいた本から同時に顔を上げて振り返ったマークとキムが、揃って呆れたような顔になる。

「お前なあ、インフィニタスの魔法理論に関する本を読んで、のんびり出来る奴がいると思うか?」

 苦笑いするマークに呆れたようにそう言われて、小さく吹き出してうんうんと頷くレイ。

「確かにそうだけど、流し読みなら……のんびり出来るかなって思ったの!」

「まあ、思うのは自由だよな。じゃあ、どうぞお好きにお読みください!」

 横で吹き出したキムの言葉に、タドラとロベリオも揃って吹き出す。

「確かに今は読書の時間なんだから、別に何をどう読もうが自由だよな」

 笑ってうんうんと頷くロベリオの手にもインフィニタスの魔法理論に関する本があり、レイと顔を見合わせてもう一度揃って吹き出したのだった。



 そのままそれぞれ好きな本を読む充実した時間を過ごし、昼をかなり過ぎた時間になってようやくユージンが起きてきたところで、レイ達も読書を切り上げて食事にする事にした。

 食事が用意された広い部屋には、朝食の時よりもさらに豪華になった様々な料理が並んでいる。

「よかった〜〜〜!」

「もうずっとこれでお願いします〜〜〜!」

 並んだ豪華な料理の数々を見て、空のお皿を手にしたマークとキムが揃って歓喜の声を上げる。

「まあ、今日のところは、だな」

 にんまりと笑ったロベリオの言葉に、おそらく最終日の夕食にどうなるかを考え、一緒になって笑っているタドラとユージンだった。



「レイルズ様。間も無くガンディ様とケレス学院長、それからダスティン少佐が揃ってお越しになられるとの事です」

 食事を終えてデザートのチョコパイをカナエ草のお茶と一緒にいただいていたレイは、執事に耳打ちされたその言葉に目を輝かせて頷いた。

「ガンディとケレス学院長は、今日来られる予定だって聞いていたんだけど、ダスティン少佐もご一緒なんですね!」

 その言葉に、隣で同じくチョコパイを食べていたマークとキムが驚いたようにレイを見る。

「ええ、ダスティン少佐も来てくださるんだ」

「じゃあ、久しぶりにお会いしてゆっくりお話し出来るな」

 二人の嬉しそうな言葉にレイも満面の笑みで頷く。

「えっと、お出迎えとか、した方がいいですか?」

 一応、この本読みの会の主催者はルークになっていて、レイは主催者の助手という位置付けだ。だが、ルークがここにいない現状、もしも主催者として何かする事があるとすれば、それはレイの役割になるだろう。

「出迎えは我らが致しますので、どうぞレイルズ様はそのままに。お越しになられましたらこちらへご案内いたします。お三方ともに、まだお食事をされていないとの事ですので、まずはこちらでお食事をしていただきます」

 笑顔で一礼してくれた執事の言葉に、レイも笑顔で頷く。

「そうなんですね。じゃあ待っていますので、出迎えはよろしくお願いします」

「はい、では失礼いたします」

 一礼して下がる執事を見送り、嬉しそうな笑顔になるレイだった。



 マークとキムの元上司で、オルダムに勤務する第四部隊内での信頼も厚いダスティン少佐は、精霊魔法の合成に関する研究室のメンバーの一人でもある。

 マークとキムは、今でも精霊魔法の合成に関する講義の際に悩んだ時などには、シルフを飛ばしてダスティン少佐に相談相手になってもらったりもしている。

「あはは、食事をする間も惜しんでこっちへ来てくれたわけだな。そりゃあお三方ともお忙しい方だからなあ」

 笑ったロベリオの言葉にタドラとユージンも苦笑いしている。

 通常、誰かの家へ訪ねて行く場合、食事を招待されているので無い限り、普通は食事の時間は避け、先に食べてから時間をずらしていくのが礼儀だ。

 だが、ここでの食事は時間を気にせず自由に食べてもらえるように用意されているので、それを聞いたガンディの発案で、とにかくそのまま食事もせずに、集まってすぐに行く事にした彼らだった。

「ここの御馳走はたくさん用意してくれてあるからね。三人くらい増えても全然問題ないよね」

 嬉しそうなレイの言葉に、ケレス学院長やダスティン少佐が普段からどれほどお忙しい方か知っているマークとキムも、揃って苦笑いしつつ頷くのだった。

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