3.だいたい疲れた。
「いやーだ。」
様々な武器が置いてある中、駄々をこねてみた。
「とりあえず、私の得意な槍から行きましょう!」
何でそんなに興奮してんの?!
ちょっとやだ。
「あーだこーだ言っても始まらないので、もうカットしちゃいましょう」(作者)
「「えっ!!」」
で、有栖川の武器は魔法に決まった訳なのですが、残念ながら、琳明にしてみれば、苦手な武器の一つなので、杖を槍がわりに槍術もやってもらうことにしました。
あー、めでたしめでたしっと。
「めでたしじゃないよね!」
と、友音が叫ぶ。
「叫ぶ前にさっさと訓練しましょう!」
琳明は息を荒げていた。
魔法使いの杖というものは、基本的に魔力の収集装置及び魔法の増幅装置としての意味合いが強く、
別になくてもいいのですが、
魔力の扱いに慣れていない大半の魔法使いは使うらしいのです。
魔力の扱いに慣れれば、杖はいらないし、
杖がなくても魔法が打てるというのはとてもとてもいいことで、歓迎すべきことなので、
杖(槍)がなくても戦えるように
体術も教え込まれました。
「そういえば、友音さんのステータス見たないですよねー。」
と、武器を選ぶ時に見ていたのでは?と疑問が湧き出るようなことを平気で言い出す琳明。その人をみれば適性がだいたい分かってしまうためである
「え、ステータスってあんの?!
わー!
見たい見たい!」
そんな疑問を持たずに純粋に喜ぶバカ。
「見ますか!じゃあ、この水晶に手を置いてください。」
どこからか取り出したその水晶玉は若草色でツルっとしている。
大きさは顔の大きさぐらい。
そんな水晶玉に手を乗せると、
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《ステータス》
名前:有栖川 友音
種族:人間(異世界人)
経験値:0/20
職業:
レベル:1
生命力:1450/1450
魔力:23345445/23345445
知性:2343
俊敏:1343
防御力:956
力:934
スキル:魔法使いの素質,未確認スキル獲得補正,賢者,大賢者,突然変異習得補正,状態異常無効,生活魔法1
状態:正常
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「おおー!すごいです!生命力ですら、そこらへんの冒険者より高い!
あと、良かったですね、状態異常無効があって。」
と、最後に意味ありげなことをいうのだが、
「え!すごいの!やったー!」
と、スルーしてしまうこのバカ。
ちなみに、状態異常無効がなかったら毒とか飲ませて何がなんでも取らせるつもりだったらしい。
恐ろしい…
「では、武術を磨いてもらいます!」
最初はそうなるのですが、やっぱり気になることが…
「もとの世界に帰りたいんだけど。」
そう、いつ帰れるのか、早く高校に戻って新しい高校青春ライフを味わいたいのに。
「しょうがないですね、訓練は明日からにしましょう。早急にやらなくてはならない問題ではないので。」
と、今日は開放されたのだが、一体どうやって帰るんだ?
「どうやって帰ればいいの?」
やっぱり聞く。
「簡単です。こう唱えてください。
『いい胸毛の平清盛』と。」
ちょっとびっくりな呪文だけれど大真面目に唱えて見ることに。
「『いい胸毛の平清盛』」
・・・。
何も起こりません。
「ぷっくくく。嘘です。」
本当は…
◇
ちょうどその頃の異世界…
「うわーー!!」
「助けてー!!!」
「マリー!!うちのマリーがーー!!
誰かー!!」
とある村は阿鼻叫喚でした。