2.ちょーヤダ。でも、チートなら… だからと言って、やるとは言ってない!
「ありの方向にならない?」
「どんなに願ってもそれは大人の事情で、無理です。」
えー、めんどくさい。
「因みに、救って頂くのはこの世界と世界の狭間ではなく、異世界です。」
「どういうこと?」
「ここではチートになってもらいます。もし、Lv.1で放り出してそのまま死なれたらとても困るんです。」
「なぜ?」
「説明しましょう。人間には二種類の体があり、一方が起きていると、他方は活動できません。なので、今あなたのもう一方の体は寝ています。」
「じゃあ、帰りたい。学校説明受けたい。」
「そういうのは、大丈夫です。なぜなら、一方の世界が時を刻んでいる時、他方は時が進まないのです。」
「てことは、ここならいくらでも勉強できるじゃん!二度寝もできるじゃん!」
「それはさておき、死なれては困るのは、一方の体と他方の体は干渉しあっています。つまり、ここで強くなれば、他方でも強くなり、一方が死ねば、他方でも死ぬのです。」
「死ぬ可能性があるなら、却下で。」
「不可能です。一方と他方の体を使える人間は、そうそう居ません。あなたが辞退したら大変なのです。」
「メガネないし…」
「視力矯正補正をかけていますので、ご安心ください。」
何そのハイテク…いらなっ!
「質問もないようですし、それでは、始めましょう。」
「何を?」
「勇者になるための修行をです。」
「私はやるとは言ってない!」
「ここではチートになってもらいます。
というか、チート並みに強くなってもらいます。まずは、どの武器が得意か探って行きましょう!」
「やるとは言ってない!」