レイヴァ・フレイムテイン・ブレイディア
長く書いて載せるのが正解なのか、今のように刻むのが正解なのかわからないので様子を見つつ変えていきます。
急に文量が増える回も出て来るかもしれません。
現在俺は赤髪の少女に連れられて、遠くに見えていた巨大な城の中を歩いている。 もちろん二人だけのドキドキデートなどではない、周りには化け物共のオマケ付きだ。
学校で授業を受けていただけの俺が、なぜ知らない土地で未知の生物たちと行動を共にしているのか…….
チラリと隣を歩く少女を盗み見る。 赤髪がなびくたび、心なしか女の子特有のいい香りがしてくる……気がする。
――レイヴァ・フレイムテイン・ブレイディア。
それが少女の名前みたいだ。 日本人離れした目鼻立ちをしているので、合っているかどうかわからないが十六、七才くらいかと予想してみる。
黒いマントを羽織り、中からクリーム色のベストと白いブラウスが見える。 スカートは灰色のチェック柄だ。
首元の赤いリボンには色々な種類の宝石で飾り付けしたようなデザインの紋章が刺繍されている。
しかし、見れば見るほど綺麗な人だ。
自分の通っていた学校にこれほどの美人はいなかった。 いや、学校どころではない世界中探してもこれほどの美女はいなかっただろう、そう思わせる程の美しさだった。 いやー、眼福眼福。
また、先程は動転していて気付かなかったが、化け物達の近くにはレイヴァと似たような恰好をしている男女が結構な数いた。
俺と変わらない人間のように見えるが、恐らく“まほうぞく”? というやつだろう。
彼らは化け物達と同じように遠巻きにこちらをニヤニヤとした表情で見てくるだけで、近づいては来ない。
「それにしても“人族”の身で私に召喚されるとは、君は相当手練れの戦士なのだな」
「人族の戦士? 俺が?」
いきなり何を言い出すんだ、この人は。
戦士と言われ、思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。
戦士どころか武術の経験なんて欠片もない。
ちょっと強面のお兄さんにすごまれたら、有り金全部差し出して「どうかこれで勘弁してください。 お願いします。」と、人目をはばからず土下座をして許しを請う男だ。
……、なんだかこの少女には取り返しのつかない勘違いをされている気がする。
「まあ俺が戦士かどうかは置いといて、まだ目的地につかないのか? 大分歩いた気がするぞ」
「先程“隷い手召喚の儀”が終わったからな、後は教室で軽く講習を受けて本日は解散だ。 今はその為に教室に向かっている」
「教室とか講習って、ひょっとしてこの巨大な城は学校なのか?」
「?ひょっとしても何もここは“イーワルド魔宝学院”。この国“イーワルド”の名を冠した、我々“魔宝族”の為の学び舎だ」
わぉ、このでっかい城が学び舎って……、すっげー金持ちなのね“まほうぞく”。
まあでも、“イーワルド”か。 聞かない名前だな。
俺は、自身が日本ではないどこか異世界に飛ばされた事をこの時あらためて強く認識した。
読んでいただきありがとうございます。
次回もよろしくお願いします。