召喚獣と共に異世界LIFE!
高校の入学式。僕は新しい生活に期待で胸をふくらませていた。
天候はあいにくの雨だが期待はたかまる一方だ
「ゴォーン」
「うわー雷近いところに落ちたなぁー」
段々と雨も激しくなってきた。近所の坂を降りようとした時悲劇はおきた…
「ゴォーン」
そう、雷は僕に落ちたのだ。
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「あれここはどこだ?」
周りを見渡せばまさに野原と言っていいほどの広さの何も無い土地があった。
もちろん近所にこんな広い野原は無かったし覚えてる記憶の中では僕は確かに雷に打たれたのだ。
「あのー大丈夫ですか?」
急に後ろから声を掛けられビクッとしながら振り向くとまさしく村娘といった感じの可愛らしい同年代位の女の子が立っていた。
「さっきからブツブツと独り言を言っていたのでなにか困った事でもあったかなと思いまして」
「…………だれ?」
近所にこんな子はいないと思いつい口に出してしまった。
「あーすいませんお節介でしたよね。」
と言いながらどこかに言ってしまいそうだったからつい呼び止めてしまった。
「いやちょっとまって」
「はい?どうしたんですか。」
「いや、別にお節介とかではなくてなその……あまりにも可愛くて見蕩れてしまって」
ガッカリして欲しくなくてついつい出任せを言ってしまった。
「まぁー」
見ているこっちが恥ずかしくなるくらい顔を赤くして「そ、そんな見蕩れる位可愛くて綺麗なんて」
若干、言ってることが盛られてるような気もするが
「そういう事だから全然お節介とかではないからな」
「そうだったんですかお節介とかじゃなくて良かったです。」
そう言いながら花のような笑顔を見せる。
「ちなみに名前を聞いてもいいか?」
「はい、私の名前はクラリスと申します。」
(クラリスか外国人みたいな名前だな)
「私も貴方の名前を聞いても良いですか?」
「ん、ああ僕の名前は望月紅だ」
「望月こうさんですか。いい名前ですね」
パァーと輝く様な笑顔を見せてくれる。
「でも、ちょっと変わった名前ですね。もしかして倭国の方でしたか?」
(倭国?随分日本らしい名前だな)
「まぁーそんなところだ」
「やっぱりそうですか、でも倭国ってかなり遠い国って言われてますけどなんでこんな所にいるんですか」「んーーーーあ、そうだ旅をしていたんだ」
「旅……ですか。冒険者とは違うんですか?」
「冒険者と違うかなぁー」
「そうですか、良かっです。」
え、良かった?なんで良かったんだろう?なんか聞いちゃいけない気がする。冒険者かぁーちょっと憧れるなぁー僕でもなれるかな
「冒険者になりたいんだがどこでなれる?」
「冒険者なんてならない方がいいです!!」
これまでのクラリスが嘘の様な剣幕で怒鳴ってきた。
「ご、ごめんなさい急に怒鳴ってしまって」
「いや、気にしてないがどうしたんだ?急に怒鳴ったりして?」
「その、父が冒険者だったんですけどあるクエストで死んでしまって母と私を残して……」
「そうか…でも僕はクラリスのお父さんとは違うよ。」
「ですよね。私が止められる権利なんて持ってないですよね。冒険者ギルド自体は私達が住む村にあります。」
眩しかった笑顔とは一転してどんよりとした顔をしたクラリス
(あんな明るい笑顔の出来る子をこんな表情させたくない。)
「だけど、とりあえず村まで道のりを教えてくれるかな?」
「はい、ちょうど私も帰るところだったのでちょうど良かったです。」
………………10分後くらい
「ここが私たちの村です。」
そこには地球で言うところの街サイズの村だった。
(これを村だというのか?)
そのぐらい人が沢山いて賑わっていた。
その3分の1ぐらいの人がペットの様な動物のようなものを連れている。
「クラリス、あれはなんだ?」
「あーあれですか?あれは召喚獣です。」
「召喚獣?」
「はい、召喚獣です。召喚獣はギルドで冒険者登録する時に自分の血を使って異界から召喚される獣らしいですよ。って言っても昔お父さんが言ってただけなんですけど」と自嘲気味に呟くクラリス
(クラリスは本当にお父さんが系のワードが苦手だな。なるべく言わないようにしよう。それとは別に召喚獣かファンタジーっぽくなってきたなぁ)
「早速ギルドに行きます?」
「ああ、行ってくれ。」
ちょっと歩いたところに少し古ぼけた古本屋みたいな雰囲気の建物があった。
「これが冒険者ギルドか?」
「はい、そうです。早速中に入りましょ」
と言って入っていったクラリス最初に反対してたのが嘘の様な足取りでギルドの中に入って行った。