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第二話

 このエッセイに興味を持っていただき、ありがとうございます。


 このエッセイでは、文体をいつもと変えております。より中高生男子の心に響いてほしいと思い、親しみを込めて話しかけるような文体にしました。


 それと、本来これは2話目の予定だったのですが、1話目がまだ完成していないため、先に2話目を投稿します。といっても、2話目も書きたいことを全て書けたわけではないため、そのうち追加したりするかもしれません。


 そして、以下の本文自体、かなり人を選ぶ内容になってしまいました。それでも、私の経験を皆さんに知ってもらうことで、皆さんの人生に少しでも貢献できればいいな、と思い、私の正直な気持ちをつづりました。


 それでは、本文をご覧ください。


 日をおって、成長していくごとに、なんだか俺の心はどんどん重くなっているな。


 今、中高生の君は、そんな風に思っているかもしれないね。


 今の君には見えていないかもしれないが、繊細な君は、心が傷つくことを恐れるあまり、どんどんと心の盾の数を増やして、心の鎧も厚くさせて、心が重くなっている最中なんだ。


 そして、気が付いたころには、増えすぎた盾と、厚くなりすぎた鎧の、あまりの重さに、君は一歩も歩くことが出来なくなってしまうかもしれない。


 一歩も歩くことが出来なくなってしまい、外の世界との交流を絶ってしまった、繊細で不安が強く、傷つきやすい君の心は、どんどんその特徴を先鋭化させてしまい、君の心はさらに脆くなっていってしまう。


 脆くなった心を守るために、君は盾をさらに増やし、鎧も厚くさせる。鎧と盾の隙間からわずかに差し込んでいた、太陽の光も、外の世界の音も、君の心には届かなくなってしまうだろう。


 光も入らず、風通しも悪い無数の盾の中ですごすうちに、君の心には、いつしかカビが生えてしまい、あんなに美しかった君の心は、表面から見ると、カビだらけのただのごみのようになってしまった。


 あるいは、心の中の獣が大きくなりすぎて、君は人間の心を失い、獣になってしまうかもしれない。


 カビや獣に心を侵されてしまう前に、勇気を出して、無数の盾の中から抜け出して、外の世界の光を浴びてほしい。急に飛び出さなくてもいい。ゆっくりでもいいから、一枚一枚、心の盾を溶かしていってもいい。


 僕たちは、臆病で怖がりだ。それでも、不安感に打ち勝つことができる、心の強さ、勇気も持ち合わせているはずだ。


 ここから先は、少し僕の経験を聞いてほしい。


 何が原因で、身動きも取れないほどに、僕の心の盾が増え、心の鎧が厚くなっていったのかは分からない。きっと、幾つもの原因があるのだろう。ただ、一つ心当たりがないでもない。


 僕は生まれてからずっと、自分は恋愛には興味がないものだと思って生きてきた。いや、そう思い込もうとしていただけなのかもしれない。


 僕の意識はそうでも、やはり潜在意識や本能とは隔離があったのだろう。誰かの言葉で、人間の不幸は、全て意識と無意識の隔離から生じる、そんなようなことを聞いた覚えがある。


 僕は結局、恋愛に興味が無いと自分に言い聞かせながらも、そのじつ、自分が傷つくことを恐れていただけなのだろう。その恐怖心によって、僕は鎧を厚くさせ、盾を増やしてしまった。


 強固な心の防壁を作った僕は、誰からも傷つけられる心配はなくなったけど、同時に、人のぬくもりからも遠ざかってしまった。いや、自ら遠ざけてしまったんだ。


 今でもたまに、夢に見ることがあるんだ。中学生の時、席が隣になって、よく話をした女の子のことを。もしかしたら、僕はあの子のことを好きだったのかもしれないな。結局、クラスが別になってからは、話すこともなくなってしまったが。


 もし、あの時の僕に勇気があって、彼女と仲良くなろうと、努力していたのなら、少し前までの僕のように、無数の心の盾の中に引きこもることは無かったのかもしれないな。


 君が、自分は恋愛には興味がないと思っているのなら、僕の経験を参考にしてみるのもいいかもしれない。


 まあ、何が言いたいかといえば、君たちには、一刻も早く恋愛をしてもらいたい、ということだ。


 思うとおりにいかず、傷つくこともあるかもしれない。だけど、上手くいってとても幸せになれるかもしれない。どうなるかはわからないが、勇気を出して、恋愛をしてほしい。


 君が少しでも好きかもしれないと思う子がいるのなら、おそらく、その子とは、話す機会が多いと思う。別に急に告白をする必要はない。


 会話のどこかで、自然に、「一緒に帰らない?」「今度の休み、一緒にどこかに遊びに行かない?」程度のことでいいから、彼女を誘ってみてほしい。


 案外、彼女は君の誘いを、ずっと待っているのかもしれない。僕を反面教師とすることで、君が勇気を出して、実りある青春を送ってくれたなら、僕の人生のマイナスな部分も、少しは価値があったんじゃないか、そう思うことが出来る。


 中高生の時の僕の感性は、今の僕には思い出すこともできないし、過去に戻ることもできない。


 君は今、一瞬で過ぎ去ってしまう、青春という名の一方通行の道の途中にいる。過ぎた過去は戻らない。そのことを真剣に受け止めて、貴重な時間を大切にして生きてほしい。


 僕は、過去の僕自身を救うことはできないけれど、僕とよく似た心を持っている、君の人生を、少しでも良くすることは出来るんじゃないかと思っているんだ。


 ちょっと話は変わるけど、これだけは守ってほしいことがある。君は心の剣も持っているんだけど、決して、その剣で他人を傷つけないでほしい。


 自分が傷つくことを恐れて、切られるより先に切りつけたくなることもあるかもしれない。もし誰かに本当に切られてしまいそうになった時は、剣を盾に持ち替えて、受け止めてほしい。あるいは、かわしてもいいし、逃げだしたっていい。


 仮に切られてしまった場合でも、切られてできた心の傷は、いつか時間の経過や、自分の心の持ちよう次第で治すことは出来る。


 だけど、他人を傷つけてしまった場合、当然相手も悲しむし、君自身も、一生消えることのない後悔によって、呪いのように、君の心を蝕み続けられることになってしまうだろう。


 君の心には穴が開いてしまい、どんなに人の役に立って、人に喜ばれることによって得られる心の栄養を取り込んでも、心の穴から栄養はこぼれ続けて、君の心は、永遠に満たされることはなくなってしまう。


 過去の行為への後悔によって、君は自分自身に、幸福になる権利を認めることが出来なくなる。そうなってしまった人間は、けっして幸福にはなれない。


 僕の好きな小説のひとつ、夏目漱石の『こころ』、という小説を読んでくれれば、過去の自分の行動への後悔が、その人間の人生に、どれだけ暗い影を落とすのか、感じ取ってもらえると思う。


 といっても、小説を読んでどんな感想を抱くかは、人によって違って当然だし、正解も間違いもないと思う。


 とはいえ、三、四年前に読んだきりの僕では、理解が足りていないことも重々承知しているから、少し解釈がおかしいこともあるかもしれないということは、先に断っておく。


 君たちには幸福な人生を送ってほしいから、いわゆる、自己肯定感やセルフイメージを高めて、自分で、自分に幸福になる許可を与えられる人間になってもらいたい。


 自分に自信を持てなかったり、自分のことを価値がないと思ったりしてしまっては、幸福になることは難しいだろう。


 最近では、大体の人間が、より幸福になれる方法が、心理学や脳科学なんかの発達によって、だいぶ解明されてきたようだ。


 昔は、幸福論については、宗教や、科学的根拠がない、個人の思い込みの方法論といったたぐいのものしかなかったことから考えれば、科学的な理論が確立されつつある今の状況は、とても恵まれているといえるだろう。


 ただ、信頼に足るであろう学問的な研究と、怪しげなスピリチュアルな情報の区別が得意ではない人がいるかもしれない。


 その判別方法も含めて語りたいところではあるが、これ以上この話を続けると、本筋から外れてしまうから、またいつか別の形で君に伝えたいと思う。


 一言だけ言うとしたら、気分が落ち込みやすい君は、出来るだけ日光を浴びて、可能なら運動をして、栄養のバランスがいい食事をして、セロトニン、と検索してほしい。


 話がそれてしまったけれど、結局、何が言いたいかというと、他人に思いやりを持って、傷つけないでほしい、ということだ。こう書いてしまうと、至極当然なことだけど、心にとどめておいてほしい。


 本当は、こんな風に説教臭くするんじゃなくて、僕が書いている小説を通して、楽しみながら、なんとなく感じ取ってもらうことが出来れば一番良かったのだけれど、そうすると時間がかかりすぎるし、少しでも早く、君に、僕の経験を伝えたくなって、こういう形をとることにしたんだ。


 君によく似た心を持ち、君より少し長くこの世界を生きてきた僕から、これからも少しずつメッセージを送ろうと考えている。


 僕は、君の親よりは君のことを愛してはいないが、部分的には、君の親以上に君のことを理解しているかもしれない。


 君が、僕のメッセージを読むことで、君の人生をより良いものにしてくれたのなら、これ以上の喜びはない。


 次回は、順番が逆になってしまったけど、このエッセイの一話目、もしくは僕が好きで、君にも読んでほしい小説、『山月記』の感想を書こうかと思う。しかし、僕の都合で違うものになる可能性もあることは、一応、予防線として断っておきたい。


 ああ、それと僕は、生まれてからすぐにコンピューターに接して育ってきた君たちの世代に、とても期待をよせているんだ。


 君たちは、上の世代よりはるかに高いコンピューターに関する能力を持っている。


 その能力は、良くも悪くも使えるだろう。どうか君には、その能力をより良い方向に使ってほしい。そうして、この世界をより良く発展させてほしい。


 今回は、これくらいで終わりにしておこう。


 以下は、僕の今の気持ちを表現したものだが、まとまりが無い文章になってしまったかもしれない。おおめに見ていただければ、幸いだ。






 いつか、僕の心の弱く、醜い部分をさらけ出せるような女性に出会えたなら、傷つくことを恐れつつも、勇気をふりしぼって、僕はこの重い心の鎧を脱ごう。


 そしてその女性が、僕の心の弱く、醜い部分を含めて、僕を受け入れてくれたのなら、僕は両手に持った、最後の心の盾を捨てて、彼女を抱きしめよう。


 その時、僕は本当の愛を知るだろう。そして、僕は自分よりも彼女を大切に想い、彼女のことを全身全霊を込めて生涯愛し続けるのだ。


 そんな人に出会う前に、傷つくこともあるだろう。鎧を脱いで、僕の心の弱く、醜い部分を見た時に、拒絶され、心の剣で切られたり、刺されたりして、深い深い心の傷を負うこともあるかもしれない。


 だが、それでも僕は、歩き出したい。太陽の光も入らず、外の音も聞こえず、鎧と盾の冷たさしか感じない。目に入るのは、心の盾の裏側だけ、そんな世界には戻りたくないんだ。


 何千枚にも増えてしまった、心の盾の塊から抜け出して、僕は広い世界に飛び出す。


 暗闇に慣れてしまった僕の目には、世界の光はあまりにもまぶしく、思わず目を閉じてしまいそうになるし、実際問題、僕を傷つけるものや人がいることは事実だ。


 だけど、僕が心の盾の塊の中で、あれこれ心配していたよりは、どうやら、ずっと世界は優しく、たいして危険はないみたいだ。


 もちろん、強い不安感とともに生きる宿命を背負って、生まれてきてしまった臆病な僕は、常にこの厚く重たい鎧を身に着けて、両手に頑丈な盾を持たないことには、この世界を歩いていくことは出来ない。


 それでも、やっと世界に出て、歩き、進んで行く勇気を、少しだけでも持つことが出来たんだ。


 その勇気をくれたのは、小説を書くこと、そして、僕の小説を読んでくれる方たちの存在だった。


 今の僕の夢は、僕の小説を読んでもらうことで、少しでも多くの人々を楽しませ、喜んでもらうこと。


 そして、出来ることなら、少し前の僕のように、何千枚もの心の盾の塊の中で、おびえ続けている人に、そこから抜け出そうとするための勇気を、持ってもらうための手助けをしたい。そのためにも、プロの小説家になりたい。


 プロの小説家になれば、より多くの人が、僕の小説を読んでくれるはずだ。人を楽しませ、救い、生きていくことが出来る。そんな人生を送ることが出来たら、最高だと思っている。


 そして、いつの日か、心の底から、お互いを愛し合える女性と、一緒になることが出来たのなら、僕は幸せな人生を歩んでいくことが出来るだろう。







 あらためて、お礼を申し上げます。このエッセイと、私の他の小説を読んでいただき、本当にありがとうございます。皆さまのおかげで、私は自分の人生に、価値を見つけることが出来ました。

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