9:【チョリーッス! ヒナっち元気~?】
ヒナさん「突発的ー!」
シュルツ「藤井ヒナサンター」
ヒナさん「始まりまーす!」
シュルツ「わーわー」
ヒナさん「始まりましたね!」
シュルツ「招集されてしまった……」
ヒナさん「出番二回目ですね、シュルツさん」
シュルツ「なぜなんだ。なぜ世の中のクリスマスはボクにこんなひどい仕打ちを」
ヒナさん「お久しぶりですね、シュルツさん、元気でした?」
シュルツ「ゲームしてたよ」
ヒナさん「クリスマスなのに?」
シュルツ「クリスマスだからってそれがなんの関係があるの? 関係なくない? 365日のうちのひとつでしょ? 記念日とかどうでもいいし。ボクはゲームさえあればそれが幸せだよ」
ヒナさん「わたしもシュルツさんさえいれば、それで幸せです」
シュルツ「ははは」
ヒナさん「えへへ」
シュルツ「というわけで、お疲れ様でした」
ヒナさん「まだなにも終わっていませんけど」
シュルツ「チッ!」
ヒナさん「さてさて、お手紙が来ています」
シュルツ「誰から!?」
ヒナさん「お名前【白米と醤油の組み合わせ】さんからです」
シュルツ「あっ、これ去年のだ!」
ヒナさん「お便りです。【チョリーッス! ヒナっち元気~? 今日は相談がある的な感じなんだけど~俺っち今マジヤバいんだよ、何がヤバいってマジヤバいんだけどぉ~マジでマジマジでぇ~マジヤバいんだよぉ! ヒナっちどうすればいいって思うぅ?】」
シュルツ「なに言ってっかわかんねえ!」
ヒナさん「※訳:好きな子が煙草を吸うんだけど、その子は愛せても煙草だけはマジ愛せなくてマジ無理。マジ煙い。マジどうにかなんない? です」
シュルツ「そういうことか……」
ヒナさん「です」
シュルツ「いやでもこれ、一年越しのハガキでしょ? なんで? なんでいま答えるの? 時が経てば考え方も変わるよ? 意味がなくない? なんで今さらやろうとしたの?」
ヒナさん「タバコは愛せないっていうことですが、これはかなり深刻なご相談だと思うんです、わたし」
シュルツ「あれ、無視? 無視っすか? えー、ヒナさん無視っすか? ボクを無視っすか? へー、ずいぶん会わないうちにエラくなったもんっすなあ?」
ヒナさん「だめですよシュルツさん。そういうことは放送が終わってから、ね?」
シュルツ「すみません、ボクが悪かったです。悪かったですので、終わったらすぐおうちに帰ってください……」
ヒナさん「好きな人の好みを愛せない。これはハッキリ言わせてもらいます。『諦めましょう』です」
シュルツ「ハッキリすぎる」
ヒナさん「だってしょうがないじゃないですか? その人はタバコが好き。【白米と醤油の組み合わせ】さんはタバコが嫌い。だったらこれはもう、その人のことを好きじゃないってことですよ」
シュルツ「えー、極端すぎませんかね?」
ヒナさん「シュルツさん、ところでシュルツさん、わたしが今まで一度も誰かと付き合ったことがなくて、内気な子だったらどうします?」
シュルツ「いや、それはもはやヒナさんじゃないんじゃないかな……。クレイジーサイコビッチじゃないヒナさんなんて、無害な一般的な生命体だよ」
ヒナさん「そうなんですよ、……いや、そうなんですか? いや、まあ、はい。まあそういうことなんですよ」
シュルツ「もしそういう世界線があったら、ボクたちは違った関係に慣れていた、ってことだね」
ヒナさん「違います。タバコも含めて彼女なので、そこを切り離して考えることはちょっと間違い、ってことなんです」
シュルツ「ふむ」
ヒナさん「つまり、好きな人の全部を好きになる必要はないんですけど、どうしてもタバコが嫌だったら、これからはそこをまず最初に確認するべきですねってことです。シュルツさんも男性女性先に確認してから恋愛しますでしょう? 一緒です、一緒」
シュルツ「はあ。わかったようなわからないような」
ヒナさん「ちなみにわたしは、タバコを吸う男性も女性もオッケーです」
シュルツ「ヒナさんは吸うの?」
ヒナさん「吸わないんですよねえ」
シュルツ「そうだよね、ヒナさんが吸うのは相手の精気だもんね」
ヒナさん「はい。……はい? わたしサキュバスじゃないですよ」
シュルツ「そうだよね。もっとタチの悪いなにかだよね」
ヒナさん「地味で平凡な女子高生です」
シュルツ「お後がよろしいようで」
ヒナさん「オチとかじゃなくて地味で平凡な女子高生ですけど!?」