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バイバイ  作者: 久乃☆
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前編

今回は子供向けの童話です。初めて書いたのです、童話になっているかどうか・・・

 マー君は、さいきんやっと一人でトイレに行けるようになりました。


 今まではオシッコをしたいとママに連れて行ってもらっていたのです。


 もちろん、ウンチのときもママと一緒でした。


 でも、今は少しだけお兄さんになったから、一人でトイレに行けるのです。


 マー君は、トイレに行くとき、いつもズボンもパンツも脱いでトイレに入ります。


 そんなマー君をママが笑っていいました。


「マー君、全部脱いで入らなくても、下げるだけでいいのよ」


 下げるだけと言われても、マー君にはどうしたらいいのか分かりません。


(どうしたらいいんだろう……)


 そこで、マー君はネコのトラ次郎に聞きました。


 でも、トラ次郎はパンツをはいていないので、知らないよとそっぽをむいてしまいました。


 庭で綱につながれている犬のゴン太に聞きました。


 でも、ゴン太もパンツをはいていません。


 それでもゴン太はいいました。


「足を上げてするんだから、パンツはじゃまだよ」


 マー君はゴン太のオシッコしているところをじっと見てみました。


 確かに足をあげています。


 でも、マー君は電柱にオシッコをするわけではないので、真似することはできません。


 余計にどうしたらいいのか分からなくなってしまいました。


 悩んでいるマー君に、水槽のなかで泳いでいる金魚さんがいいました。


「お父さんの真ねっこしたら?」


 そうです。


 お父さんなら、マー君と同じようにパンツをはいているはずです。


 マー君は、お父さんがトイレに入るとついていって、そっとドアの隙間からお父さんのしていることを見てみました。


 すると、ビックリ仰天です!


 なんと、お父さんは立ったままオシッコをしているのです。


 それだけではありません。お父さんは、ズボンもパンツも脱ぐどころか、“下げる”と言うこともしていないのです。


 もうマー君の頭はパニックです。


 ズボンを下げることも脱ぐこともしていないのに、お父さんが開いている足の間からは、ちゃんとオシッコが便器に向かって出ているのです。


 マー君の頭の中は、『どうして? どうして? どうして?』でいっぱいになりました。


 マー君は、オシッコもウンチも、ママと同じように座ったまましているのでし、ズボンもパンツも脱いでいるのですから。


 じゃぁ、ウンチのときはどうなんだろう。ウンチもパンツを脱がずにするのだろうか?


 どうやって?


 お父さんは、もしかしたら魔法を使ってウンチをするのかも知れない。


そう思ったマー君は、もっとお父さんのしていることを調べました。


 すると、ウンチのときはマー君と同じように座っています。


 オシッコを立ったままするくらいですから、きっとウンチも立ったままするのだろうと思っていたマー君は、またしてもびっくりしてしまいました。


 でも、ママが言っていた「おろす」と言うことがどういうことなのか分かった気がしました。


 次からは、オシッコをするときは立ったまま、ウンチのときは「パンツを下ろす」ことにしました。


 それでも頭の中は、お父さんのズボンをはいたままオシッコをしている姿が消えません。


 ご飯のときも、テレビを見ているときも、お父さんを見ては首をひねってしまいます。


 その様子に気がついたお父さんがマー君に聞きました。



「マー君、どうしてお父さんを見ると不思議そうな顔なのかな?」



 マー君は『えーとね、えーとね』と繰り返し、やっと頭の中のお父さんの不思議について話し出しました。


 それを聞いてお父さんはおかしそうに笑うと、真剣な顔になってマー君に低い声でいいました。



「マー君、これは男と男の話だ。お母さんには内緒だよ」



 そう言われて、自分が大人の男になったような気がしてきました。


 マー君は強く『うん』と頷くと、お父さんを睨むようにみつめました。




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