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落ちた先は異世界!?  作者: 普通の魔法使い
プロローグ
8/28

第8話 Sランク冒険者

今回でプロローグ終了。依頼?そんなものは無かった。

「ふぅ~。やっぱりお風呂って良いなぁ~。」


 冒険者ギルドを出た後、リリスと倞が向かった先は一軒の宿だった。そこで2部屋取った後、リリスが倞の部屋へ来て「銭湯に行くぞ。」と何時もより3割増しにテンションが高い様子で言った。その様子に若干引きながらも、約1ヶ月ぶりの風呂に倞のテンションも上がっていた。

 そして必要な物を粗方揃えた後、冒険者ギルドから徒歩2分の場所にある銭湯についた。

 時間が時間なだけに客は少なく倞は久しぶりの湯船を堪能していた。

 因みにこの湯船、魔道具と呼ばれる物によって作り出されていたりする。

 魔道具とはその名の通り魔力によって動く道具で、比較的便利な為、少し値が張るものの人気がある商品のうちの一つであったりする。

 そんな感じで約1時間程かけてゆっくり温まった倞とリリスはホクホク顔で銭湯から出て行った。


 *


「それじゃあ今日は部屋でゆっくり休め。明日簡単な依頼を受けに行くから。」


「はいよ。じゃあまた明日な。」


 宿に戻るとリリスから今日はゆっくり休むよう言われ、倞も疲れていたのかそのまま別れの言葉を言って自室に戻る。食事は既に済ませてあったので問題は無い。


 *


 翌日、陽が昇ると同時に目が覚めた倞は宿の裏にある井戸で顔を洗いに行っていた。5、6回顔をすすぐと、水の冷たさが程よく身に染みて気持ちがスッキリする。持ってきたタオルで顔を拭くと自室へと戻っていく。下着や、新しい服は今日買い揃えるつもりだ。

 そうしている内に扉をノックする音が聞こえる。


「今開ける。」


 倞は扉を開けると目の前に何時もの服装のリリスがいた。


「今日は軽く依頼をこなした後必要な物を買い揃えるぞ。」


「りょーかい。」


 リリスを先頭に宿を出ていく。暫く何も話す事無く歩いていると冒険者ギルドが見えてきた。

 扉を潜ると昨日と違う雰囲気に倞は少しビクついてしまう。リリスは近くにいた男から情報を聞いている。


「この空気はどうしたんだ?」


「いやぁそれがな、Sランクの奴が来たっていうから見に来たんだけどよ――あれは冒険者なんかじゃなくて裏の仕事をしてる顔だぞ。あれ。」


 Sランク――冒険者ギルドにはランクがあり、下からG,F,E,D,C,B,A,AA,S,SS,SSS,EX,ACEとなっている。EとD、BとA、AAとS、SSとSSS、SSSとEX、EXとACEの間には所謂成長の壁と呼ばれるものが存在し、Sランクともなれば全冒険者の中でも一握りしかいない。なお、ACEは過去に1人だけ存在が確認されているが詳しい文献は殆ど残っていない。

 そんなSランクの猛者が来たというのにこの雰囲気は可笑しい。そう思っていたリリスはハーフエルフとしての聴力によって上の階の扉が開く音が聞こえ、次いで階段を下ってくる音が聞こえる。この時にはリリスと話していた冒険者も気が付き顔色が若干青ざめていた。いつも笑顔で評判の受付嬢――本名、アスナ・ブラウン。今年で25歳。彼氏いない歴=年齢。最近の悩みは両親がお見合いを進めてくる事――ですら表情に怯えの色が見える。リリスはその様子に只事では無いと判断し警戒を強め、今一状況を把握しきれていない倞はただ戸惑うだけである。


 ゴトッ……ゴトッ……ゴトッ……


 足音が一歩、また一歩と近くなってくる。ゴクリと誰かが唾を呑む。カウンターの隣にある扉が軋んだ音を立てて開く。そこに立っていたのは――






 ――身長は約2メートル――






 ――全身の筋肉がその存在感を表し――






 ――若干青味の有る黒い短髪――






 ――目は濁った灰色――






 ――背には身長ほどの大剣が2振り――






 ――『Sランク最強』『二刀流(大剣)』『筋肉野郎』『裏社会の住人』『重力使いグラビティ・レイ』『奴の筋肉に勝てる気がしねぇ』『泣く子も泣く鬼、泣かない子も泣く鬼』『むしろ親も泣く』などの異名を持つ――






 ――その名もSランク冒険者、ソウル。






 ソウルは固まっている冒険者ギルド内を一瞥して受付嬢――アスナの元へ向かう。因みにアスナはソウルと目が合った瞬間涙目になりフルフルと震えていたりするが、受付嬢としての意地か気丈に振る舞っているように見せる。


「ど、どのような用件で?」


 声の震えまでは隠せていないようだが。


「……何かランクが高い依頼はあるか?」


 ソウルが尋ねるとアスナは「し、少々お待ちください」と言ってカウンターの下へ潜り分厚いファイルを取り出す。

 普通の依頼は掲示板に張って有るのだが高難易度の依頼はこうやって受付嬢が直接管理するのが常だ。今回はその制度が仇となった。アスナは内心でこの制度を作った者を恨むが、もうどうにもできない。


「ソウル様のレベルにあった依頼は今の所ありませんね。3ランク程下がりますがどうしますか?」


「……そうか。じゃあ依頼は今度でいい。」


 そう言うとソウルはくるっと振り向き倞の方を見る。見られた倞はソウルから溢れ出すオーラによってたじたじになっていた。


「……お前は何者だ?その力只者では無いな?」


 ぬっ、と倞に近づくソウル。その間にリリスが割り込む。


「此奴は昨日冒険者になったばかりだ。そこまでの力は無いと思うが?」


「…………。」


 無言でリリスを見つめる。冒険者ギルド内に緊張が走る。リリスは冷や汗が背中を伝うのを感じる。


「ガハハハハッ!」


 行き成り笑い出すソウルに誰も着いていけない。


「そうか、そうか……お前面白れぇな。名前は?」


「リョウ、リョウ・タカハシです。」


「リョウか……。また会った時はよろしくな?」


 ガハハハハハッ!とソウルは笑いながら冒険者ギルドを出ていく。


「……それで、一体あの人は誰?」

早足過ぎる?大丈夫。自分でも思ってる。

それと次回は全5章の内、第2章です。更新は来月になるけどそれまでに頑張って貯め作っとくからっ待ってて。


ガッツ  男:27歳 利き手:右利き 種族:人間 髪:若干青っぽい黒で短髪 目:濁った灰色

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