第51話:三日後の再会と、重なる戦果
魂の入れ替わりが解けてから三日。
大介は自分の体で新宿ダンジョンをリサーチし、エイミーは自分の体でトレーニングをこなしつつ、それぞれが「相手が自分の体を使って何をしたのか」という期待と不安を抱えて過ごしていた。
そして今日、ようやく二人は中間領域である「交差ダンジョン」の広場で顔を合わせた。
「……よう、エイミー。やっと会えたな」
「大介さん! 三日間、気になって気になって……大介さん、私の体で無茶しませんでしたか?」
二人は岩場に腰を下ろし、それぞれが相手の体で稼ぎ出し、本来の体に戻る際に「持ち帰ってきた」戦利品を、いよいよ披露し始めた。
「まずは俺からだ。……驚くなよ」
大介が背嚢から取り出したのは、鈍い金属光沢を放つ三基の**『ダンジョンポータル』。
「え……ええええっ!? 『ポータル』!? 大介さん、これ、手に入れるの難しいって言ってたじゃないですか。私の体でどこから持ってきたんですか!?」
「闇市の拠点にカチこんで、力ずくで毟り取ってきた。ポータル三基で三◯〇〇万相当だが、これがあれば俺たちの拠点はさらに盤石になる」
エイミーは自分の華奢な手が、そんな危険な場所で戦っていた事実に、腰を抜かしそうになった。
「……そ、それなら私も負けていられません。大介さん、これを見てください!」
エイミーは、大介の体から持ち帰っていた重い皮袋を二つ、ジャラリと岩の上に置いた。中から溢れ出したのは、リディア王国の刻印が入った本物の金貨二百枚。
「……は? 二百枚!? おい、一週間で金貨二百枚(二千万円相当)も稼いだのか!? 俺の体で何やったんだよ」
「大介さんに教わった『先を打つ』カラテで刺客を退けて……それから、大介さんの顔で思いっきり凄んでみたんです。
『次は私の背後の組織が動くことになるぞ』って。そうしたら、商会長が震え上がって、前金を倍にしてくれたんです」
「はははっ! 『組織』か、最高じゃねえか!」
大介は、度胸のないエイミーが自分の顔でヤクザ顔負けのハッタリをかました光景を想像し、豪快に笑い飛ばした。
「……なるほどな。お互い、相手のポテンシャルを最大限に引き出したわけだ」
二人は、並べられた金貨と魔導具を眺めながら、確かな手応えを感じていた。
「大介さん。商会には『来週までに地球のスキンケア用品を追加で持ってくる』と約束してしまいました。次は『組織』の供給能力を見せる番です」
「わかった。俺もこっちで、その名に恥じないだけのブツを揃えてやるよ。……よし、これで家を買い取るための一億も見えてきたな」
三日越しに明かされた驚愕の戦果。
二人は改めて固い握手を交わし、異世界を跨ぐ壮大な「組織」としての第一歩を踏み出した。




