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第45話:隠れ家への強襲

ネズミ屋から買い取った情報は確かだった。  


新宿ダンジョン第九層、本流から外れた放棄区画。


その奥まった壁面に、不自然な「亀裂」がある。


そこが、ダンジョンポータルを悪用した密造組織の隠れ家への入り口だ。


「……いたぜ。あの中に一千万以上の価値があるポータルが転がってるわけだ」


 大介(エイミー体)はフードを脱ぎ捨て、「暴君の杖」を強く握りしめた。  


周囲には、ギルドの監視を逃れて魔薬を精製している荒事専門の冒険者崩れたちが、数人で見張りに立っている。


「おい、なんだあのガキは? 銀髪の魔法使い……あぁ、噂の『ドリル魔女』か!」


「ハッ、女一人でカチコミかよ。

悪いがここは『魔法制限アンチ・マジック』の結界を張ってるんだ。お前の杖はただの棒切れだぜ!」


 男たちが嘲笑いながら、魔法耐性加工が施された大盾と剣を構えて距離を詰めてくる。  


だが、大介(エイミー体)は逃げるどころか、不敵な笑みを浮かべて杖を構えた。


「魔法が無効? ちょうどいい。俺もこっちの方が性に合ってるんだよ!」


 大介は身体強化を極限まで絞り込み、エイミーの華奢な脚で爆発的な踏み込みを見せた。  


一瞬で間合いを詰め、困惑する先鋒の男の腹部に、杖の先端を叩き込む。


「『暴君の螺旋タイラント・ドリル』!!」


 魔力を「放出」するのではなく、杖の内部で「超高速回転」へと変換する。


魔法そのものを打ち出すわけではないため、表面的な魔法無効化の結界など関係ない。


物理的な「回転力」と「破壊エネルギー」が、男の装備していた大盾を火花と共に抉り飛ばした。


「ガハッ……!? な、なんだこの威力は……!」


「次だ!」


 大介は休む間もなく、驚愕に染まる敵の懐を縫うように移動した。


エルフの身軽さと、大介が培ってきた実戦カラテの技術が完璧に融合している。  


二戦目、三戦目。魔法で戦うと思い込んでいた密造人たちは、容赦なく「物理」で骨を砕きに来る美少女の姿に、恐怖を抱き始めていた。


「バケモノかよ……! 魔法使いの動きじゃねえ!」


「褒め言葉として受け取っておくぜ。……さあ、奥に鎮座してる『ポータル』を預かりに来た。命が惜しけりゃ、道を開けな!」


 暗い放棄区画に、杖が唸る「ギュゥゥゥン!」という異質な回転音が響き渡る。  


一週間後の入れ替わりまでに、絶対に手土産を手に入れる。


その執念が、大介(エイミー体)を最強の近接魔道士へと変えていた。

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