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第38話:新宿ダンジョン、ドリル無双


 新宿ダンジョン第十二層。大介(エイミー体)は、スマホの画面に表示された「Cランク限定・高額報酬」の文字を見て、口角を吊り上げた。


「120万円……! 迷い込んだ変異種の討伐か。こいつは美味いな」


 エイミーの華奢な体、そして手にはリディアから持ち込んだ「暴君の杖」。  本来、このランクの依頼はパーティーで受けるのが常識だが、今の「中身が戸田大介のエイミー」にとって、その常識は関係ない。


「よし、サクッと稼いで、エイミーを驚かせてやるか。あいつもリディアで肩身が狭い思いをしてるみたいだし、俺がこの体で『実績』を作ってやりゃ、少しは楽になるだろ」


 大介はスマホをポケットにしまい、ターゲットが潜む第十四層への階段を駆け下りた。


 第十四層の最奥。そこには、全身を赤黒い結晶で覆った異常発達個体、**『ブラッド・オーガ』**が鎮座していた。  先行していた別のCランクパーティーが、ボロボロになって撤退していくのとすれ違う。


「おい、嬢ちゃん! 逃げろ、あいつは魔法がまともに通じねえぞ!」


 血を流した戦士の叫びを背に、大介(エイミー体)はフンと鼻を鳴らした。 「魔法が効かねえ? だったら直接叩き伏せるだけだ」


 オーガが咆哮し、丸太のような腕を振り下ろす。  大介は身体強化魔法を「足」に集中させ、爆発的な踏み込みでそれを回避。そのまま懐へ潜り込んだ。


「魔法使いがそんな距離に……バカか!?」  撤退中の冒険者たちが目を見開く中、大介は「暴君の杖」を逆手に構え、オーガの脇腹に叩き込んだ。


「回れ……! 『ギガ・ドリル』!!」


 杖から解き放たれた膨大な魔力が、暴君の杖の強制制御によって超高速回転の螺旋へと姿を変える。  ギィィィィィィン!!  魔法耐性があるはずの結晶の外殻が、物理的な回転エネルギーによって火花を散らしながら削り取られていく。


「グガアァッ!?」  悲鳴を上げるオーガに対し、大介はさらに追撃のカラテを叩き込む。  杖を軸にした回し蹴り、そして至近距離からのドリル突き。


「魔法ってのは、こうやって使うんだよ。覚えとけ、化け物!」


 銀髪を振り乱し、可憐な少女の体で巨獣を圧倒するその姿は、目撃した冒険者たちの目に「戦場の死神」のように映っていた。

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