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第15話:銀糸の導き

 エイミーへの格闘レクチャーを終え、今度はエイミーが、自分の体に入った大介へと向き直りました。


大介(エイミー体)は、自分の意思とは無関係に溢れ出そうとする膨大な魔力の扱いに、まだ戸惑いを見せています。


「次は大介さんです。魔法のイメージが少し曖昧です」


「……やっぱりか? 軽く念じただけで指先から火が噴き出しそうになるんだ。馬力が強すぎて、アクセルを踏むのが怖えよ」


「遠くに飛ばすより、まずは『身体強化』を試してください。

魔力を外に放つのではなく、筋肉の繊維一本一本に浸透させるイメージです。それから……」


 エイミーは少し考え、自分の、今は大介が宿っている銀髪を指差しました。


「この長い髪を操って突き刺す魔法。これなら体の一部としてイメージがしやすいはずです。

大介さんの『リーチを伸ばす』感覚に近いかもしれません」


「髪を操る……? 面白そうだな。その魔法、なんて名前なんだ?」

「え? ……**『髪を操る魔法』**ですよ」


「……いや、そのままじゃねえか!」  

大介は思わず吹き出しました。


「もっとこう、『シルバースパイク』とかカッコいい名前はないのかよ」

「ええっ!? だって、そう呼ぶしかないですし……。大介さんは、名前の付け方が独特です」


 二人は顔を見合わせて笑いました。


冗談を交わすことで、大介の肩の余計な力が抜けていきます。彼は教えられた通り、指先に意識を集中させました。


「出すんじゃない、針の穴から**『絞り出す』**……よし」


 集中を極限まで絞り込むと、指先の魔力が銀髪を鋼のように鋭く変えました。以前のような暴走はありません。


「(これだ。これなら戦える)」


 お互いの「トリセツ」を共有し、二人の間に確かな信頼が芽生えます。


「よし、今回はこのアドバイスを意識して頑張ろうぜ」


「はい! 大介さんも、気をつけて。……先手必勝、ですね!」


 二人は清々しい笑顔で頷き合い、それぞれの日常へと戻っていきました。

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