表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら無職で追放されたけど、実はチートだったので、とりあえず、魔王というやつをこの目で確めて来ます  作者: @SsRay
メトロポリス編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/91

ep3.メトロポリス編 魔導士の拳(ウィザード・ナックル)

 メトロポリスの巨大な鋼鉄の広場に、数千機のドローン残骸が散乱し、静寂が訪れていた。創夜たち6人の周囲は、けたたましかった警報が止んでいる。


「ふう、手慣らしは終わりか」


 創夜は夜の剣の形状を元に戻し、軽く剣を振るう。メインコンピューターの音声は、わずかに落ち着きを取り戻していたが、その論理構造には明らかな警戒感が滲み出ていた。


『目標集団の多様性レベル:無限。現行プロトコルによる殲滅予測:不可能』


「戦闘データに基づき、現時点までに確認されたパターンに対して、最適化された特化型討伐ユニットを投入します。これより、目標集団への個別撃破プロトコルへ移行」


 轟音と共に、ビル群の影から、上位戦闘ロボットが三十体ほど姿を現した。数は少ないが、放つ威圧感は段違いだ。


「ほぅ、特化型か。ようやく本気になったってことだな」

 創夜は夜の剣を光沢のあるガントレットに変形させ、両手に装着する。


 フィーリアがパネルから情報を読み取り、顔色を変えた。

「ダメだ!創夜!あれはただのドローンじゃない!それぞれ、私たちに最適化されたカウンターユニットよ!」


 急に町が変形し、仲間全員を個々に分ける壁が表れ、全員分断され、それぞれ一体の敵を相手にしなければならない状況に追い込まれた。


 その言葉通り、ロボットたちは明確な意図を持って配置されていた。全身を青い魔法シールドで覆った『マジック・ディフェンダー』がセリアに対峙する。


 分厚いアーマーと巨大なハンマーを持つ物理反射の『グラビティ・アタッカー』はリンの前に。


 ミリィの前には物理反射を持つ『マッハ・ブレード』。そしてミーナの前にはセリアと同じ『マジック・ディフェンダー』の人型の機械人形が一体ずつ配置されていた。


 創夜は状況を一瞥し、笑みを浮かべる。

「面白い。一対一のお披露目会ってわけだ。」

 ルールは変わらない。同じ技は二度と出すな。無我の境地で避け、新しい技で叩き潰せだ!


 セリアは仲間達と分断され、一人になったところで、相手の魔法反射能力を確認し、賢者の杖の真の力を発動させる。

「Magic reflection confirmed. Initiate transformation to High-Speed Physical Attack Mode. Let us unleash the true power of the Sage Staff.(魔法反射を確認。高速物理攻撃モードへ変形しなさい。賢者の杖の真の力を解放しましょう。)」

 杖が言葉を発すると共に、杖の先に光の鎌が出現する。

「この杖はしゃべるのよ。創夜に見つかったら大変なことになるわ」

 杖が光の鎌に変形するとともに、セリアのミニスカート魔導士スタイルから、高速戦闘タイプへ服を変形させる。

「わたしに、魔法以外を使わせるなんて。なんて相手かしら。お仕置が必要ね」


 次の瞬間、今まで見せたことがない高速の動作で、セリアの鎌がマジック・ディフェンダーを真っ二つに裂いた。

「Hostile Target: Status irregularity verified.(敵対ターゲット: 状態の異常を確認しました)」

 マジック・ディフェンダーは自己再生能力で切断面を補正して怪しい光に包まれた後、セリアに向けて物理攻撃を浴びせようと殴りかかってくるが、セリアは最小限の動きで回避し、その身のこなしのしなやかさは、まさに高速の舞踏のようだった。


 セリアは鎌を振るい、マジック・ディフェンダーの装甲をさらに三度、関節や急所を狙って切り裂いた。しかし、その度にデバイスは光を放ち、傷口は一瞬で修復される。


「Regeneration confirmed. Warning: Physical Defender attribute detected.(再生を確認。警告:物理防御者属性を検知)」


 セリアは苛立ちを隠さず、高いヒールで地面を踏みしめた。

「なんですって? マジック・ディフェンダーが、物理防御ですって? この格好で一生懸命斬りかかってるのに!」


「Correction: The hostile unit is Physical Defender type, disguised with a weak Magic Reflection field. Initiate return to Full-Power Magic Mode.(訂正します。敵対ユニットは、弱い魔法反射場を偽装した物理防御者タイプです。最大出力魔法モードへの復帰を開始しなさい)」


 セリアは鎌を杖に戻すと同時に、ボディスーツは再び優雅な魔導士服へと戻った。そして一気に魔力を高めた。


 セリアが放った一筋の純粋な魔力光が、マジック・ディフェンダーの青いシールドを貫通し、その胴体に直撃した。


「Impact confirmed. Target status: Regeneration, 100% stable.(着弾を確認。ターゲットの状態:再生、100%安定)」


 直撃を受けたはずのロボットは、瞬時に爆心地を修復し、最初の物理攻撃と同じように、一瞬、怪しく光って再生を完了させた。


「はぁ? 今度は魔法も効かないって言うの? 面倒だわ。」


 セリアは機嫌を損ね、次々に魔法と物理攻撃を織り交ぜた連撃を開始した。彼女は再び黒のレザー基調の高速戦闘用ボディスーツへとスタイルを変え、光の鎌で切り裂く。


 彼女の肢体を強調するタイトなスーツと、高速移動が織りなす残像は、広場にセクシーで危険な軌跡を描き出した。


 鎌による低空水平斬り!


 マジック・ディフェンダーの装甲が再び裂け、そして光を放って再生する。セリアは即座に鎌を杖に戻し、優雅な魔導士服へとスタイルを戻すと、魔力を撃ち込んだ。


『ライトニング・スパイク!』


 魔力弾が三発、時間差で着弾。敵は一瞬だけ青く発光しながら、修復を完了させた。


「Target status: Regenerating.(ターゲットの状態:再生中)」賢者の杖が冷静に報告する。


 セリアは再びボディスーツへと切り替わり、跳躍からの垂直斬りで装甲をえぐり、さらに距離を離すと再び魔導士服に戻った。


『フレア・キャノン!』


 灼熱の魔力爆発が二発、敵を包み込む。敵は再生する度に、まるでその攻撃パターンを学習しているかのように、その修復速度をわずかに上げているようにセリアには見えた。


 セリアは高速でスタイルを変え、相手の攻撃を避けながら、その動作を冷徹に分析した。連撃を繰り返すことで、彼女の頭の中に一つの法則が構築されていく。


「Target analysis complete. The hostile unit possesses instantaneous self-repair based on reactive energy conversion. It regenerates only in response to a single, specific energy signature of the current impact.(ターゲット分析を完了。敵対ユニットは、反応性エネルギー変換に基づく瞬間的な自己修復能力を保有。再生は、現在の衝撃の単一かつ特定なエネルギー特性に対応してのみ行われています)」


「分かったわ。つまり、一撃の攻撃に反応して、その攻撃に対する耐性を獲得しつつ再生している、ってことね。それなら簡単だわ」


 セリアは笑みを浮かべた。


 セリアはマジック・ディフェンダーへ一気に間合いを詰めた。今回はボディスーツの高速戦闘スタイルのまま、相手が拳を振り下ろす瞬間、セリアは賢者の杖の形状を瞬時に変えさせた。


「最終プロトコル:解放!」


 杖は瞬時に形状を変え、セリアの右腕に装着された光沢のあるリング状の武装へと変形した。セリアの魔力がリングに集中し、灼熱の光を放つ。


「Final Command: Armor Penetration Mode. Maximum output.(最終命令:装甲貫通モード。最大出力。)」


 セリアは、リングを装着した腕を、超至近距離でマジック・ディフェンダーの装甲に押し当てた。セクシーなボディラインが鋼鉄のロボットと触れるほどの密着距離から、魔力を注入する。


「お仕置よ! 魔導士の拳(ウィザードナックル)!」


 リングから放たれた極限まで収束された破壊魔法は、もはや魔法反射や物理防御の概念を超越していた。マジック・ディフェンダーの核となる再生機構が焼き切られ、青いシールドごと、一瞬の爆音もなく、巨大な鋼鉄の塊は沈黙した。


 セリアは変形したリングを杖に戻すと同時に、優雅な魔導士服へとスタイルを戻した。軽くため息をついた。賢者の杖も元の形に戻っていく。そして、囲われた空間を風魔法で粉砕した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ